図説 ローマ帝国衰亡史

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  • Amazon.co.jp ・本 (593ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487761753

作品紹介・あらすじ

巨大な世界帝国はなぜ滅んだのか!ギボンの浩瀚な原典を、ポイントを押さえて短縮化し、テキストに従って、新たに多くの写真・図版・資料を加え、初めてローマ史の専門家があたった画期的な訳業。1冊で読み切る、ギボンの記念碑的大著。

感想・レビュー・書評

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  • 東京書籍 ギボン 図説 ローマ帝国衰亡史 

    ローマ没落論の古典的名著。図版を加えた約600ページの短縮版。短縮感はない。


    没落論の性質上、隆盛期のカエサル、アウグストゥスを省略したギボンの意図はわかるが、五賢帝時代から没落論をスタートさせているのは 意外。平和が没落の始まりであり、征服拡大とともに 没落が進んでいる。

    平和の中に ローマの支配秩序を見出し、征服拡大により内乱や外敵との争いが激化していくローマの軍事国家ゆえの宿命と限界を読みとれる。


    「世界史上人類が最も幸福で繁栄した時期は〜ドミティアース帝の死からコンモドゥス帝の登位まで」としているのは、共和制に 幸福と繁栄の源を見出しているということか?


    最終章、ユスティニアヌス帝とテオドラとのエピソード中心。歴史書というより小説のように生きている人物が描かれている。ローマの終わりは華やか


























  • ギボンのローマ帝国衰亡史に図説が入り、非常にわかりやすくなっています。

    この図説が本書の第一の大きな特徴です。第二に、訳者あとがきに代えてで「ローマ理念」がありますが、これが非常に面白いです。優れた仕組みには優れた理念が必ずあるんだなあと感心しました。

    本書を読みながら、僕は、ローマの衰亡をとらえる変数として以下の項目があるのかなと思いました。
    ・継承:皇帝の皇位継承プロセス
    ・軍隊:皇帝の軍隊統治方法
    ・元老院:皇帝の元老院との関係
    ・宗教:皇帝の宗教(特にキリスト教)政策
    まず、4つが非常に重要だと思いました。
    ついで、
    ・外交政策:領土拡大方針やいわゆる蛮族の王との関係含め
    ・多民族政策:奴隷の扱い含め誰をローマ市民と定義し、誰をローマ市民としないのか?
    ・規律:ローマ市民のモラル(勤勉さ・倹約さ)にどう取り組んだのか?
    あたりを変数に各皇帝の治世を眺めると面白いとおもいました。そこらへんを含めローマ帝国の内側と外側をどう考えたのかが、ポイントなんですかね。

    そして、この言葉が特に深いです。この言葉からどこまでイメージがわき、この言葉を自分の組織にどう活かせるかですね。
    =====
    ローマの衰退は、その並外れた巨大さがもたらす自然にして不可避の結果であった。繁栄が衰退の原理を熟させた。征服の拡大とともに、破滅の原因が増殖した。そして時が、あるいは偶然が、人為的な支柱を取り除くや否や、巨大な構造物はそれ自身の重みによって圧し潰されたのである。その没落の物語は単純にして明快である。そして、ローマ帝国が何故に滅びたかを問う代わりに、われわれはむしろ、それがかくも長く存在したことに驚きの目を瞠るべきであろう。
    =====

  • 短縮版、豊富な図版という意欲は買うがどちらの意図も中途半端に終わった感。
    文章はもっと圧縮してまとめや図表を使って欲しく、図版はもっと豊富に、惜しみなくカラーも使って欲しい。
    何よりも図版の情報が少なく、制作時期すら省略されているものが多いのは不満。

  • 図書館から借りたはいいものの、分厚すぎて読了できませんでした。貸出期間2週間じゃ無理か…(苦笑)

  • 数あるローマ帝国の衰亡を扱った書籍の中の、言わずと知れたギボンの名著。岩波のやつは持ってたんだけど、これには何といっても図説が入ってる。これは内容を理解する上で非常に有用。ギボンの原典は、詳細なんですが何といっても読みにくい。この本は適度にポイントを絞って短縮してあり、ギボンの偉大な業績を広くわかりやすくしていることがすばらしい。お勧めです!

  • エドワード・ギボンの大著です。刊行200年を記念して図版などを多く使い、わかりやすくなりました。アントニヌス朝からユスティニアヌス帝までを追っていき、ローマ帝国の衰亡に迫ります。

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