WEB連載がもとになっているというせいもあるかもしれないけど、この前に読んでいた『変わる家族と介護』の地に着いた感に比べると、威勢はいいんだけどどっかでも聞いたことある感で進んでいく話。結局、女たちが求めているのは女みたいな男(ま、純草食男みたいなね)だというんだけど、本当かなあ? 物足りなくなっちゃうんじゃないの? それに男の立場も考えてあげるべきだと思う。希少価値だから元気がいいってこともあるわけで、消沈した男がデフォルトになったら、確かに今まで女たちが面白くない思いをしていた一部は癒えるかもしれないけど、別の意味の楽しさがなくなってしまうような……。
日本で女やるのって、いちばんお気楽だと思ってる。そりゃ、男女差別が今だってたくさんあるけど、弱そうな立場を利用しつつ楽しくしたたかに生きることもできてるじゃない。ま、日本の男もある意味、世界に類をみないお気楽な立場だなとも思うんだけどね。この本みたいに、声高に訴えられないぶんだけ、男たちのほうがつらそうかなと。結局、そういう男女がつくる社会ではイーブンな男女関係は進みそうにない。
以下の引用部には共感!
だから、草食系男子という一群の男性たちがいつまで草食系でいるのかについて、私はきわめて深い懐疑を抱いている。
男性の育児休業取得の割合が低いという事実が明らかにしているように、従来の価値観(性別役割分業、男尊女卑など)に基づくコードは厳然と生きている。親戚づきあい、保育園の送迎などの様々な場面で、コードに抵触する男性は必ず「男のくせに情けない」と評価されるだろう。女性のほうも、「ひどい妻」として酷評されるかもしれない。
このように、結婚という制度に参入することは、日本に脈々と流れ続ける家族の常識に巻き込まれるということを意味する。
その中にあって、男性がなお草食系であり続けるためには、多くの軋轢と戦う覚悟が必要となる。自然体で流れに逆らわないことを旨としてきた草食系の男性に、そんな覚悟があるのだろうか。
(p.186-187)
- 感想投稿日 : 2012年4月22日
- 読了日 : 2012年4月2日
- 本棚登録日 : 2012年4月2日
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