国際政治学者の藤原氏と小説家の石田氏の対談をとおして主に現在の世界情勢を知ることができる。その分野の知見をもってすれば、世のなかで起きていることはわりと説明がつくんだなあという印象。
横暴に思えるロシアにしても中国にしても、根っこでは被害者意識に立った対外的な態度なのだというような見方は目からウロコのようでいて納得いく。どこの国も、そしてたぶん人間にしたって多くが被害者意識でいるんだよね、きっと。日本だって原爆落とされたことは声高に主張するけど、朝鮮半島や満州などで何をやってきたのかと言われれば途端に頑なになるじゃない。強気じゃなくて弱気や怖れやトラウマ的なものが横暴や頑なさを招くのだろう。
何がきっかけか、藤原氏のことを私はけっこう信頼しているんだよね。新聞の真面目なコラム記事やテレビで真面目に解説する姿しか知らなかったけど、この本ではけっこうくだけた感じ。藤原氏の言葉のところに「(笑)」なんてあると、当たり前のことながら、こう言う人も笑うんだと思っちゃう。映画好きだったり少年時代をニューヨークで過ごしたということも初めて知った。石田氏については偏見だけどナンパな感じの人だと思っていて、引き続きそんな印象。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年4月27日
- 読了日 : 2024年4月26日
- 本棚登録日 : 2024年4月26日
みんなの感想をみる