オタキング岡田斗司夫と著作権に尽力する弁護士の福井健策が著作権を巡る現在の問題と著作権の未来について語り合う。
著作権はユーザーにとって不便でしかないという岡田とクリエーターの利益を守ることが大事だという福井の意見がぶつかる。しかし、岡田がそもそもクリエーターは創作で利益を得なくていいととんでもないことを言い出すあたりから対立していたはずの議論は不思議な方向へと進んでいく。後半になればなるほどこの対談は面白くなる。
複製が簡単にどんどん作れて誰でも簡単に作品を世間に発表できるデジタル化の社会の中で著作権を守り続けていくなどということはできっこない。だったら創作で利益を直接得ることなどあきらめて無数のクリエーターが多様な作品を無料で公開するようになればいい。「つまらないけど豊かより貧乏だけど面白いを目指すべき」という岡田の主張にはとても共感した。
この対談は著作権についてのものだが、著作権の先にある利益と利便性(面白さ)をどう分配するべきかという社会の根幹的な問題をテーマにしている。
二人の描く未来に胸が熱くなる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
対談・往復書簡
- 感想投稿日 : 2012年2月22日
- 読了日 : 2012年2月19日
- 本棚登録日 : 2012年1月17日
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コメント 1件
gangan3さんのコメント
2012/02/24