江戸時代中期に松代藩の財政を立て直した恩田杢について書かれた「日暮硯」を解説。
恩田杢は財政再建に当たりまず自らが利益を放棄し質素倹約に努めた。そして今までの悪い慣習をしっかりと指摘しつつ、仕方のないこととして罰は与えなかった。その上で百姓達と直接に対話を重ね、損をする者が納得してもらうことで改革を進めていった。対話にあたっては事前に様々な数値を把握し緻密な計算を持って説得に当たっていた。
「日暮硯」には多少の脚色はあるものの、まず本人が身を正したこと、対話を持って改革に当たったことなど史実通りのことも多く、恩田杢の改革には現在の財政の立て直しにも参考になるものが多い。
現在の日本の政治に必要なものが「日暮硯」には書かれている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2012年10月4日
- 読了日 : 2012年10月2日
- 本棚登録日 : 2012年9月14日
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