落書きを消せば凶悪事件が減るという言葉と共にニューヨークの治安回復で有名になった割れ窓理論。その提唱者であるケリング博士が研究と実践をまとめあげる。
割れ窓理論とは単に綺麗にすればいいというものではない。
警察について言えば、通報を受けて対応するという受身な姿勢から予防と軽犯罪の摘発を兼ねたパトロールを強化する能動的な姿勢へと変えていくことである。それによって地域住民と警察のコミュニケーションが増えるという効果もある。
しかし、それをする為にはホームレスの人権を守れという人たちの訴訟など様々な障害を乗り越えていかなければならない。この本はアメリカ中の都市の治安回復の戦いの記録でもある。
本当の割れ窓理論は美化活動などではなくて、何か大きいことが起きてから対処するのではなく目の前の小さな今できることをするという地道でハートフルなものだった。
知った気になっている一つ一つの理論について一冊しっかりと本を読み込む必要性を感じさせてくれる一冊。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
心理学
- 感想投稿日 : 2011年11月30日
- 読了日 : 2011年11月17日
- 本棚登録日 : 2011年10月16日
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