映画館で見てきました。
率直にいってこの映画、僕は好きです。
映画は良い、悪いの前に好き、嫌いがある気がする。
そして更にどんなジャンルとして観るかという受け手側の心理状況にも左右されるので、一概に「良い!オススメ!」とは言い難い。
けれども、この世界の、この時代に生きている人間として、見た方がいいと思う。
これは単なるSFじゃない。
この世界の、この時代のリアルだ。
SFとして見ると、これは確かに特筆すべき目新しさというものは少ないかもしれない。
エイリアン映画としての設定の新しさ(エイリアンが難民とされている点)というものがあるとしても、武器や効果、アクションなどに関してはこれまでの作品と多くは変わらないらしい。僕はSF映画(特にエイリアン映画)については門外漢なのでそこらへんのことはわからない。
けれども、これがドキュメンタリータッチで描かれているところ、更に最近アメリカ国内でイラク戦争に対する捉え直し(あの戦争はなんだったのかということを考え直す)風潮があるらしいことを鑑みると、これは現代社会のリアルを視聴者にまざまざと突きつける作品であることは間違いない。
そういう意味で、この映画は見た方がいいと思うのだ。
(註:最近アメリカではイラクから兵隊がPTSDなどで本国に帰ってきて、帰還兵自身があの戦争はおかしい、間違いだった、と声を挙げていることがあるらしい。)
イラク戦争のことを考えた。
あれははじめ大量破壊兵器があるとして始まった。
アメリカは阿呆みたいに武器や弾薬をつかって圧倒的有利に戦争を進めた。
正義のための戦争が標榜されていた。
裏ではどんな陰謀があるかわからないのだ。
そんなことを昔考えたことを思い出した。
描き方がとてもリアル。
そして人間を描く際に整合性がある。
これはないやろー、とか思わない。
インタビュー形式はすごい。
語り口がとても魅力的で引き込まれる。
もっとドキュメンタリーっぽくしても僕はアリ。
逆に物語にしてしまってもそれなりに面白いけど、アバターとかと似てくるかも。それだとフツウのエイリアン映画との差異も出なくなるかな。
その他、感じたことといえば。
ちょっとメタルギアソリッドっぽい感じもあったり(やったことないけど)。
好きなジュブナイル的場面もあったり。
モンスターエンジンのネタっぽいのがあったり。
最後は確かに良し悪しであるだろう。
でも、個人的には嫌いじゃない。
主人公が子どもを持っていなかったのはどうしてだろう。
主人公に子どもがいればエビのあいつとの共感がもっと出せたのではないか。
いたら学校で絶対いじめられるんだろうけど。
個人的には満足です。
面白かったし、勉強になりました。
なによりSFは現代社会の理解力がないとただのファンタジーになるということを痛感しました。
だからやっぱりこの映画作った人はすごい。
続編は作らない方がいいです。
- 感想投稿日 : 2010年4月18日
- 読了日 : 2010年4月18日
- 本棚登録日 : 2010年4月18日
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