下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

著者 :
  • 講談社 (2007年1月31日発売)
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本棚登録 : 1239
感想 : 215
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↓のレビューを全面的に改稿して、ブログ記事にしました。 http://burogu-mircea-blog.blogspot.jp/2014/08/blog-post.html
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通俗的な功利主義的態度(消費者的主体像、心理的な契約・等価交換関係)が蔓延しているという現状認識のもと、処方箋として、リスクヘッジ的な態度を提案する。実際は『先生はえらい』的なアレも、そこに追加されるわけだけど。

基本的には面白かった。ただ、教育の成果は数値化できない云々言ってるくせに、「学習時間」で子供の学力測ってるのにはたまげた。あほかと。
ニートに関する認識もひどいもの。特に最近『無業社会』(西田亮介・工藤啓)でとりあげられるような若者も、成金のぐーたら息子も、構造的に生み出されるニート(階層的な問題のある)も、一緒くたにしている。要するに「根性なし」「考えが甘い」「師匠を持て」と連呼。これは処方箋でもなんでもない。
加えて、ニートの数について触れた部分で、「統計は正確ではない」という内容のことを言っているが、統計についての無知を晒していて、それで『先生はえらい』ですかと思わざるを得ない。
まぁ、最初の1,2章は面白く読めるのではないでしょうか。基本的に眉唾で読むべきです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 一般書
感想投稿日 : 2014年8月12日
読了日 : 2014年8月12日
本棚登録日 : 2014年8月12日

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