論争 関ヶ原合戦 (新潮選書)

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  • 新潮社 (2022年7月27日発売)
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感想 : 12
5

今までのイメージとは違う点がいくつもある。
小山評定にしろ、合戦後の論功行賞知行替えなど。
小山評定の時点で豊臣恩顧の大名は「内府ちがひの条々」についてまだ知らなかったというのも見逃せません。
そしてこの合戦が完全に東西雌雄を決する合戦とは一概には言えない。
秀忠遅延の件も家康からすると頭の痛い問題だった。
徳川主力の本体が不在なのである。
遅延が無ければもっと早く雌雄が決していたかもしれないし、豊臣恩顧の大名の知行が大きく増える可能性が低かったかもしれない。
しかしそれでもほぼ一日で雌雄が決するとは家康も三成も思っていなかったことであろう。
この勝利により家康の天下統一が完全になったとまでは言いがたいというとこ。
合戦後の知行替えも公式文書はなく口頭伝達であったという点。
そして、外様(豊臣恩顧)だから遠方に配置されたという思考も見直す必要がある。
(秀忠遅参ゆえ豊臣恩顧大名が活躍するしかなかった)
島津と毛利についてもっと大きな処断ができていれば幕末はもっと違った歴史になったかも?
佐幕派としてその点もとても気になります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2023年1月14日
読了日 : 2023年1月14日
本棚登録日 : 2023年1月10日

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