日本の歴史 19 改版 (中公文庫 S 2-19)

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  • 中央公論新社 (2006年2月1日発売)
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【読書レビュー 581】
小西四郎(解説・保谷徹)『日本の歴史19ー開国と攘夷』中公文庫、2006年

東アジアに警鐘は鳴る、押しつけられた和親条約、貿易を迫るハリス、井伊直弼の登場、安政の大獄と桜田門外の変、サムライ海を渡る、異国人との商売、皇妹和宮と公武合体、尊王攘夷の旗のもとに、将軍攘夷を誓う、外国と戦ってみれば、八・一八クーデター、新撰組まかり通る、第一次長州征伐と倒幕派の成長、薩長同盟とイギリスへの接近、第二次長州征伐とフランスに頼る幕府、将軍徳川慶喜、討幕か大政奉還か

1853年のペリー来航から1867年の王政復古のクーデターまでわずか15年、江戸幕府の支配があっというまに崩壊した。
と言うか、外圧の起点を1853年とする事はそもそも正確ではないだろう。
原因の一つは外国勢力との接触だが、主たる原因は国内情勢だった。

幕末史は「接夷」「開国」をめぐって動いた志士たちや、一部の大名・公卿などにより進められたように表面上は見えるが、それを支えたものとの関連のもとに捉えられなければならないのだろう。

ともあれ、明治維新の前半期ともいうべき幕末史は、日本が近代的統一国家として誕生する陣痛期だった。
それは世界史との深い関連のもとに行われた。
だからこそ、そこには激動・動乱が見られ、多くの人々が日本の前途のためにその生命をかけた。
そのような人々の姿、そしてまた歴史全体の動きが今日の我々の生活に多くの示唆を与え、歴史は国民のすべてによりつくられる事を物語っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年12月16日
読了日 : 2021年12月16日
本棚登録日 : 2021年12月16日

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