破天荒な兄と真面目な弟。
2人ともものづくりに携わっていて、兄は芸術、弟は建築。
初めは「これ、なんで読みたいと思ったんだっけ?」とはてなマークが頭に浮かんでしまうくらい失敗した感が強かった。
でも、なんとなく読み進めていくうちに、物語に引き込まれていって、続きが知りたくなってしまった。
弟の郁人が、兄・英明のスケッチに影響を受けて、東京に対する考え方の広がりを見せたところは見せ場なんだろうなぁ。読んでいて初めて楽しい気持ちになった。
ストーカー女や瀬堂あまねら脇役との出来事が兄弟の日常を彩って、とてもカラフルな物語になっている。
"城を獲るかのような"沖田のセリフに、タイトルの「普請」の文字、まさに時代を変えれば城の普請みたいなものなんだなぁと思ってそこにかける意気込みみたいなものを感じてみたり。
英明の郁人に対するライバル心は、私もとうに気づいていたのに、知らないのは本人だけ…なんていうところも、彼らの日常に入り込んだかのようですごく面白かった。
以前読んだ湊ナオさんの本イノセントツーリングよりこっちの方が断然面白い。
ただ、お仕事小説、というカテゴライズで選ぶとちょっと違和感があると思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月25日
- 読了日 : 2022年11月30日
- 本棚登録日 : 2022年12月1日
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