- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532171551
作品紹介・あらすじ
「一気に街が更新されるチャンスなんて、そうそうないんだよ」
建築に携わるぼくを焚きつける芸術家の兄。五輪を間近に控えた首都のざわめきの中で、ぼくは自分の仕事に対する確信を持った。
第11回日経小説大賞受賞!(選考委員:辻原登・髙樹のぶ子・伊集院静)
TOKYO2020、と書かれたまっしろな紙を目にして、かあっと頭に血がのぼった人と、そうでない人がいる。ぼくはともかく、業界的にぼくの勤めている会社は圧倒的に前者でできている。関東大震災からほぼ100年、表皮の入れ替わり続ける街でぼくは何をすべきなのか――
第11回日経小説大賞を受賞した本作は、五輪を目前に控えて新たな施設の建設・再開発ラッシュに湧く東京で、地道に建築設計に携わる若者が、陶芸作品が現代アートとして海外で高く評価されている破天荒な芸術家の兄に振り回されながら、自身のアイデンティティを見いだしていくタイムリーなお仕事小説。
「日本はまだ普請中」。兄の創作活動に欠かせないパートナーの女性との奇妙な関係もあいまって、登場人物のスリリングな会話が読む者の胸にグサグサ刺さってきます。テンポ良く、しかしどこに転がっていくのかわからない会話の端々には、現在の東京、日本へのかわいたまなざしが、最新トレンドと現代風俗を絶妙にからませながら顔をのぞかせます。五輪を目前にした今こそ読んで欲しい、知的エンターテイメント小説です。
感想・レビュー・書評
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で?という感じ。
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湊かなえさんの本に紛れて借りてきた本・・・
だったにもかかわらず
何だかトウガラシのように辛みが効いた会話が小気味よかった^^ -
破天荒な兄と真面目な弟。
2人ともものづくりに携わっていて、兄は芸術、弟は建築。
初めは「これ、なんで読みたいと思ったんだっけ?」とはてなマークが頭に浮かんでしまうくらい失敗した感が強かった。
でも、なんとなく読み進めていくうちに、物語に引き込まれていって、続きが知りたくなってしまった。
弟の郁人が、兄・英明のスケッチに影響を受けて、東京に対する考え方の広がりを見せたところは見せ場なんだろうなぁ。読んでいて初めて楽しい気持ちになった。
ストーカー女や瀬堂あまねら脇役との出来事が兄弟の日常を彩って、とてもカラフルな物語になっている。
"城を獲るかのような"沖田のセリフに、タイトルの「普請」の文字、まさに時代を変えれば城の普請みたいなものなんだなぁと思ってそこにかける意気込みみたいなものを感じてみたり。
英明の郁人に対するライバル心は、私もとうに気づいていたのに、知らないのは本人だけ…なんていうところも、彼らの日常に入り込んだかのようですごく面白かった。
以前読んだ湊ナオさんの本イノセントツーリングよりこっちの方が断然面白い。
ただ、お仕事小説、というカテゴライズで選ぶとちょっと違和感があると思う。
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時を超えて人の記憶に残ること
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兄も弟もものづくりに関わっているって。
似たような仕事だと、相手と距離を取ってしまいそう。 -
もう少し建築にこだわった話しだったらよかったかな、、
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オリンピックやる前提の話でそこがすごく寂しい感じになってしまっていました。2020東京オリンピックなんてなかったんだよ
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現代アートはわからない。雲をつかむような会話も。
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オリンピックが延期されていなかったら、もっと感じ方も違うのだろうか?
第11回日経小説大賞受賞ということで手に取ったが、次回作を読んでみて感想を言うことにしよう。