泣いた。
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ミュージシャン志望の29歳無職の宮路は、ひょんなことから老人ホームでギターを弾き語る機会を得た。
もちろん(?)宮路のギターは入所者にまったくウケなかったのだが、ラストのサックス演奏に、宮路は衝撃をうける。
「天才だ…いや、神様だ…」
それは、老人ホーム職員の渡部による演奏だった。
一緒に音楽をやらないか?!と渡部をさそうため、老人ホームを再び訪れた宮路は、そこで水木のばあさんの「おつかい係」になる…
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という拙いあらすじですが、これがどこをどう転んでこれが「泣ける」になるのか?とお思いですね?
ですよね。いやーわかりますわかります。
いや、わたしも読み始めたときは泣くつもりなんてなかったんですよ。
そしてこの導入、音楽の話に行くんでしょ?とおもったんですよ…だってタイトル「その扉をたたく音」ですよ?音楽の扉かな?っておもうじゃないですか。
いや、音楽も出てきますけど、渡部くんも宮路も水木のばあさんもその他の入居者さんも出てきますけど、扉は音楽の扉じゃなかったことはたしかです。
ではどの扉なの??とおもったアナタ、ぜひこちら、手にとってみてください。ちゃんと「扉」、たたかれますから。うん。
ベタといえばベタなんです。なんだけど、泣いちゃったんです。ベタでは泣かないけど、瀬尾さんのベタでは泣いちゃうオトナです。
字も大きくて、めっちゃ読みやすいし、宮路の人生の詰んでる感もすごいし、じっちゃんばっちゃんも憎たらしいのに憎めないし、渡部くんはどうも瀬尾さんの他の作品にも出てくる人みたいだし、そっちもめっちゃ読みたくなったし…
人生詰んでる、とおもったときほど「その扉をたたく音」、効くとおもいます。よろしくお願いします。
- 感想投稿日 : 2022年12月13日
- 読了日 : 2022年11月22日
- 本棚登録日 : 2022年11月15日
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