日本の神話 第4巻

著者 :
  • あかね書房 (1995年10月15日発売)
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本棚登録 : 166
感想 : 25
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「あれ?白うさぎじゃなくて、“しろ”うさき??」と、タイトルを見て思った方は、すごく鋭いです。

ちなみにわたしは、全然疑問に感じませんでした(苦笑)。
なぜかというと、この絵本・日本の神話シリーズは、タイトルが全部ひらがなだったので、それに合わせて「いなばのしろうさぎ」というひらがなタイトルなんだな、と思ったからです。

もちろん、そうした側面もあるのかもしれませんが、“しろうさぎ”とした裏には、文を担当された舟崎克彦氏による、しっかりとした考証が基になっています。
あとがきと折り込み付録の考証を読むと、“しろうさぎ”の謎が解けるだけでなく、うさぎを騙したのがワニではなく鮫(サメ)であることも、「そうだったのかーーー」と大納得するはずです。

また、この絵本をつくることに対する舟崎克彦氏と、画を担当された赤羽末吉氏の誠実な姿勢に、ただただ胸を打たれます。

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1984年にトモ企画から刊行された本書は、1995年にあかね書房から復刊されました。

小2の娘に読み聞かせをしましたが、神々の名前や、地名が聞き慣れない様子だったため、すこし解説を加えつつ読みました。
読み終わったあと、「よくわからなかった…」と言っていた娘でしたが、大筋についてのなぞなぞを娘に出したところ、ちゃんと答えられていて、お話を理解していました。

古い言葉の響きをそのまま味わうことも、この絵本の醍醐味だと思います。
子どもは意外と、親が思うよりもちゃんと、その言葉を受けてとめています。

横長の大画面は、巻物を広げた絵のようにも見え、古い神話を読んでいる気分がより高まります。
後半のお話はわたしも馴染みがなかったため、どうなるんたろう?という気持ちで読み聞かせをしました。
第四巻「いなばのしろうさぎ」の最後は、第五巻の「すさのおとおおくにぬし」の始まりにつながるそうなので、そちらもぜひ読んでみようと思います。

はじめから1人で読むにはハードルが高いですが、本物の「いなばのしろうさぎ」を知りたいならば、この絵本しかない、そう思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 赤羽末吉
感想投稿日 : 2020年4月28日
読了日 : 2020年4月25日
本棚登録日 : 2020年4月25日

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