現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

  • 筑摩書房 (2010年2月8日発売)
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本棚登録 : 8366
感想 : 620
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人生訓を得ようとして読むより、大河ドラマ「青天を衝け」の栄一の行動は、こんな信念からきていたのか…という角度からみるための本、かもしれない。

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実業家・渋沢栄一の著書「論語と算盤」の内容から重要部分を選び、現代語訳した1冊。
渋沢栄一の人生を概要だけでも知ってから手に取られた方が、より読みやすくなると思います。

人生訓的な要素もある本ですが、現代に通じるところもあれば、それはどうなのかな…というところもありました。
(でもそれは、どんな本を読んでもだいたいがそうかもしれませんね、、、)

というわけで、最初は人生のヒントを得られれば…という感じで手にとりましたが、どちらかというとそちらの思惑は、読み進めれば読み進めるほど薄れてしまいました。
代わってむくむくと大きくなっていったのは、「大河ドラマ『青天を衝け』での渋沢栄一の行動は、こんな考え方から出ていたのか…」という、ドラマ副読本のような感覚でした。

「正しいことをねじ曲げようとする者、信じることを踏みつけにしようとする者とは、何があってもこれと争わなければならない。」(26ページ)

こうした部分を読むと、ドラマでの栄一の、どこまでも荒々しく突き進んでいた姿の土台には、こんな考えがあってのことなのか…と、栄一の行動が、よりリアリティをもって感じられました。
よくある渋沢栄一の人生概要は外側からみた栄一をまとめたものですが、この「論語と算盤」は栄一本人の考えの一部がわかる本なので、渋沢栄一を内側から見るような感覚になりました。

ただ、読んでいると中だるみのように見えるところもあり、読みこむまでには至らず☆☆2つとさせていただきました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きること、死ぬこと
感想投稿日 : 2021年10月3日
読了日 : 2021年10月1日
本棚登録日 : 2021年9月25日

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