回送先:稲城市立第四図書館
濃厚きわまりないミステリ。小説の一気読みが昨今ほとんどばくなった評者が久しぶりに一気読みした一冊(背景として、日本語環境での小説がえてして「陳腐」の一途を極めつつあるのがその最たる要因なのかもしれない)である。
登場人物の複雑な絡み合い、「The Past Within Us(過去は死なない)」を地でいく歴史が織りなす大胆で、でも繊細な動機の形成――そのどれをとっても久しくお目にかかっていなかった「想い」の美しさに評者は惚れ惚れとしてしまうのである。
おそらく本書の「二時間ドラマ化」は不可能であろう。というよりも、小説で無ければならない理由の数々が文中の繊細な言葉ひとつから見えてくるのであるから。
読書状況:読み終わった
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借受:多摩地区
- 感想投稿日 : 2012年11月10日
- 読了日 : 2012年11月10日
- 本棚登録日 : 2012年11月10日
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