ふるさと銀河線 軌道春秋 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2013年11月14日発売)
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本棚登録 : 1978
感想 : 279
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小説家になる前にマンガの原作を書かれていた著者、高田郁さん。この本は1999年から2004年に女性マンガ誌『YOU』に掲載された連作集『軌道春秋』を小説化したものです。

中で『ムシヤシナイ』が一番印象に残りました。
大阪環状線のT駅にある「駅そば」ではたらく路男。妻には先立たれ、東京に住む一人息子正雄とは孫、弘晃のことで口論になり5年間会っていない。そば屋でいつものように働いていると、成長した孫が突然やってきて…。

同じ年頃の子を持つ親としては、正雄の気持ちもわからないでもないけれど、どうしたらいいのか判らなくなったときに祖父母の存在ってやっぱり有難い。
勉強に疲れて正雄との関係に苦しむ弘晃を、生きていけるよう導く路男の姿に涙します。
一番最初の『お弁当ふたつ』も心温まる素敵なお話でした。
全9編、寂しい身の上の主人公たちの頑張りすぎない前向きさがちょうどよかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月26日
読了日 : 2024年2月26日
本棚登録日 : 2024年2月26日

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