転落の歴史に何を見るか: 奉天会戦からノモンハン事件へ (ちくま新書 337)

著者 :
  • 筑摩書房 (2002年3月1日発売)
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日露戦争(奉天会戦)からノモンハンまでの30年間で転落していって敗戦したのはなんで、教訓は何でしょうかね。と言うお話。

・日本軍が戦略転換できなかったのはなぜか?という問いに元航空参謀の返事が
 「いままで苦労していた水夫さんにわるいから」!!
 (でも、こうやって、なあなあなこと結構あるよな)

・いじめや不登校の問題も大事だけど、良質な指導者層(国を率いられるような優秀な人材)をどうやって育てるか、って教育の問題もあるし、そっちのほうが大事かもよ。
 (たしかに。みんなで馬鹿になってもしょうがないな)

・モスクワ近郊の日本人捕虜は感化され「インターナショナル」や「スターリン賛歌」を進んで歌い、歌わない者(当然日本人捕虜)は村八分にされ生命の危険(あるいはリンチ)にあった。一方ドイツ人捕虜にそんな人はいなかった(歓喜の歌を歌っていた)!!(「沈黙」に通じる話だな。いかにも日本人らしく、怖い)

・「日常の自転」の結果、惰性になり思考停止する。
 (たしかに、つねに何か変化させないとまずい)

・戦死、あるいは殉死すると二階級特進というのは、日本だけの制度で、諸外国ではそんなものはなく、論功あれば特進する。日本は死ぬことが論功で、優秀な成績でも特進しない。

・官僚の汚職は明治が最も少なかった。
 
結論は優秀な人材をうまくそだてて活用していくことだよね。育てるシステムがないんだけど。出る杭は打たれるし。あと優秀な人が気持ちよく働けるシステム。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年12月2日
読了日 : 2012年12月2日
本棚登録日 : 2012年12月2日

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