エリートの仕事は「小手先の技術」でできている。

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  • KADOKAWA/中経出版 (2014年7月29日発売)
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『感想』
〇仕事のできる人は技術があるんだよということ。確かに仕事自体の処理の仕方は教わっても、その1回だけでみると効果があるのかわからないような技術は周りから積極的に教えてはもらえない。それをどこかから仕入れて身につける力がエリートにはあるのだろう。

〇色々な小手先の技術が紹介されているが、決して珍しいものではない。そして個人的にはそれは効果が低いと思うものもある。それはそれぞれが仕事の中身や人間関係や自分の個性を踏まえて決めていけばよいこと。

〇印象付けするためだろうが、「エリート」という言葉を頻繁に使うのは気分がいいものではない。エリートの定義は人によって違い、それは自分が評価するものではなく他人から評価された一つの表現に過ぎない。

〇自分は他人で代わりの利く人間か。そして独りよがりではない個性を持っているか。ここを大切にしているところは著者に共感できた。

『フレーズ』
・企画書は、あえて「8割の出来」で提出する。(p.36)

・優秀な事務次官は上司に「突っ込みどころ」を用意する。(p.39)

・思ってもいないことを褒めるのは媚び。思っていることを口に出せば褒め上手。(p.54)

・「わかりません」と答えられるのは、優秀な人だけだ。(略)その物事に精通し、軽重の見極めがつくようになってはじめて、これを「わからない」といっても決しておかしくないと判断がつくようになる、というのです。そして、相手が「じゃあ、調べておいて」と受け流すということは、その判断が間違っていないということ。(略)もしあなたが、自信をもって「わかりません」と答えることができるなら、それはその分野に精通しはじめたという、ひとつの証。(p.144)

・お話を伺ったあとのひと言感想、次はこの技術についてです。(略)慣れてきたら、キーワードをそのまま言うのではなく、類義語に変換すると、さらに気の利いた印象になります。(p.188)

・私は新人のころ、外見も含めて、なんでもかんでも「個性」だと思っていました。そういう軽薄なものは、経験を積むにつれ、少しずつ引きはがされていきましたし、今でも引きはがされつつあります。それらを削ってもなお、自分の中に人とは違う何かが残るならば、それこそきっと代替不能な「個性」ではないでしょうか。(p.219)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2022年1月25日
読了日 : 2022年1月25日
本棚登録日 : 2022年1月25日

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