文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2000年9月5日発売)
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本棚登録 : 8770
感想 : 656
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再読の順番間違えたな。

GW期間中、新型コロナ対策により
思いがけず自宅待機になったため、
回数忘れたけど手に取ってみた。

わたしがなんやかんやでこのシリーズ中、
たぶん1番好きな作品。
と、いうのも、
鉄鼠のレビューにも書いたけど、
これまた全体の構成が素晴らしく美しいから。
どこを読んでも髑髏。
どこを切っても(?)髑髏。
普通こんなに髑髏押しされたら食傷気味になりそうなもんなのに、
そうならないのがセンスのなせるワザなのか。
とにかくこの計算し尽くされた構成、
大好物だ。

以下、少し内容に触れる。

この作品を好きな理由は構成だけではなくて、登場人物が気に入っているから。

まずイサマ屋。
この浮世離れした感じが好きだ。
浮世離れしているようで、本人ちゃんと自意識があるっていうのも好ましい。

それから朱美。
こういうキップのいい強くてしなやかな女性になりたいと憧れる。
ラストシーンが本当にいい。

あと、これはとても個人的で誰とでも共有できる感想ではないんだけど、

本人が深刻に考えるほど難しいことではなくて以外と単純なことだったり、
入り組んでいるように見えて実はそのままだったり、
脆弱に見えて実はめっちゃ強かったり、
そういうこと現実にもあるよね、
って勝手に納得してしまうから。

…とは言え起こった事件の内容はかなり凄惨で、センセーショナルで、
その解決はとても遣り切れない。
それでも面白いんだなー。

たぶんこの先も何度も読み返すんだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 京極夏彦
感想投稿日 : 2020年6月5日
読了日 : 2011年11月10日
本棚登録日 : 2011年11月7日

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