突然飛び跳ねたり会話もまともにできない重度の自閉症の少年が、筆談でのコミュニケーション方法を得て書きつづったエッセイとショートストーリー。
描かれる世界のみずみずしさに胸が打たれました。
特に「手をひらひらさせるのはなぜですか?」に対しての文章に感動しました。
「これは、光を気持ち良く目の中に取り込むためです。/ぼくたちの見ている光は、月の光のほうにやわらかく優しいものです。そのままだと、直線的に光が目の中に飛び込んで
来るので、あまりに光の粒が見えすぎて、目が痛くなるのです。/でも、光を見ないわけにはいきません。光は、僕たちの涙を消してくれるからです。(以下略)」
8年前に出版されたこの本が自閉症児を持つ作家により海外で翻訳されて世界中に読まれるようになり、それがNHKのドキュメンタリーで取り上げられた・・・というのはこの本を読んで、レビューを読んではじめて知った話。
youtubeでそのドキュメンタリーを見られると知って見てきましたが、それを見た上で改めて文章を読むとさらに深い感動を受けます。
たくさんの人にぜひ読んで欲しい1冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2015年6月12日
- 読了日 : 2015年6月12日
- 本棚登録日 : 2015年6月12日
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