「現代優生学」の脅威 (インターナショナル新書)

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  • 集英社インターナショナル (2021年4月7日発売)
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1995年まで優生保護法が続いており、優性思想としてはつい最近まで残っているため、たとえ政策が変わってしまっても人々の意識にはまだまだ優性思想が残っている印象。

満州での支配において、国民の健康増進が軍事課題であり、1940年にナチスをモデルとした「国民優性法」がとられる。総力戦体制の一環と捉えられ、現在の体育行政や学校教育への影響が見られる。アメリカでも優性運動が生まれたが、好景気による経済問題解消から、いずれ衰退。日本では1970年代前半までは遺伝性疾患をもつ子供を産まないべき、という考えが珍しくなく存在したが、1970年代後半から障害者運動が始まり少なくなる(これも経済問題解消による効果か?)

現在日本では経済問題が深刻化し優性思想が前面に出るようになり、今まで以上に注意が必要である。ナチスは特異な思想をもった悪の集団として突然現れたわけではない

(それにしても本当に学校体育嫌いだったな~、身体を動かすことは好きだったんだけど)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年1月10日
読了日 : 2022年1月10日
本棚登録日 : 2021年5月22日

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