高原英理さんの『ゴシックハート』で本作について書かれていましたが、興味深い内容であったことを思い出します。「美貌」に囚われる女性たちと、りりこの妹であるちかこの「差異」がやはり好きです。
しかしまぁ、こりゃあ壮絶ですわ。すごい話を書くよなあ。読後は、えも言われぬモヤモヤというか、蟠りが残ります。なんとも言葉にできない…。高原さんの解説を読み直してみることにしましょう。
ただ、読んでいる時に一つ感じたのは、「なんか太宰の『人間失格』みたいだな」ということでした。なぜ、『人間失格』が出てきたのか。りりこは「人間失格」だとでも言うのでしょうか? 分かりません。けれど、不思議とこの二作は、似ているように感じるのです。表面を取り繕うとするところが似ていたり、作品に鏤められた鋭い言葉たちが、そう思わせたのでしょうか。とにかく、胸に迫る作品でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年5月26日
- 読了日 : 2022年5月26日
- 本棚登録日 : 2022年5月26日
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