ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)

著者 :
  • 太田出版 (2007年12月18日発売)
3.54
  • (130)
  • (181)
  • (298)
  • (49)
  • (15)
本棚登録 : 1898
感想 : 203

「これはしんどいで」「やめときな」と謎の脅迫をされ、私の中でバリクソ鬱漫画のレッテルを貼られてしまった『ブラッドハーレーの馬車』、読みました。
うむむ、個人的には、鬱全開って感じでもなければ、かといってエログロのバロメーターがMAXなわけでもなく、なんだか煮え切らない感じで読み終えてしまいました……。雰囲気は三原ミツカズ作品に近いです。ドレスもいっぱい出てくるし、すごく社会的でマジメ。それにちょっと悲惨さを足した感じ。好きなんですけどね。
ただ、まぁ肩透かしはくらいましたが、何も感じなかったわけではもちろんありません。「うぉっ」っとなるカタルシスを膨大に含んだ作品もありましたし(第六話とか)、各話のラストには沙村先生の技巧が凝らされていて、いい具合に胸を抉ってくれました。最終的にはこうなる、とある意味分かっているからこそ、そこを上手く表現していて、先にも引用しました三原ミツカズ先生ではありませんが、鬱漫画と呼ばれてはいるものの、すごく真面目に丁寧に描かれている作品でした。だからこそ、1巻で完結しますが、もうちょっと沙村先生の『ブラッドハーレー』を読んでみたかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月26日
読了日 : 2022年4月26日
本棚登録日 : 2022年1月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする