硬直的な労働市場での「残業ゼロ政策」は景気後退期に企業倒産を続出させるだろう。残業制度は労働力需要変動への緩衝材となり、企業を頑健にする。労働時間の硬直性は企業を不安定にする。
参考『システム思考―複雑な問題の解決技法』9.8 労働力管理と在庫管理との相互作用
「残業ゼロ」は「いいことづくめ」ではない。賢明な企業は、来るべき景気後退局面を想定し、生き残れる人数に留めて雇用する。すなわち雇用が潜在的な労働力需要よりも低いレベルにとどまる。正社員のパイは増えない。それでいいんだろうか。
参照した分析で面白いのは次の点。需要がある時点で瞬間的に増加し、その後一定になるという仮定で、つまり需要は単に増えるだけで減らないのだから、一見良いことに思える。しかし、それが企業にひどい不安定性(人員と在庫の大変大きな振動)をもたらす、ということ。
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カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2018年3月19日
- 読了日 : 2018年3月19日
- 本棚登録日 : 2017年8月31日
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