南米の少数民族についての解説が主となる下巻だが、やはり白眉なのは第九部にある「一杯のラム」。民俗学者とは自らが所属する文化からも研究対象とする文化からも「よそもの」であることを自覚しながら、また民俗学というという分野自体が他の民族を踏み付けにしてきた証左であることを理解しながら、それでも目を見開こうとする態度表明にはどうしても心動かされてしまう。イスラムへの不理解と仏教への過度な賛美を表し、ストロースもまたサイードが批判したオリエンタリズム性に縛られていることが透けて見える最後に少しだけ心を痛めながら。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
思想/哲学
- 感想投稿日 : 2014年1月25日
- 読了日 : 2014年1月25日
- 本棚登録日 : 2014年1月25日
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