小夜衣と胡蝶。性格も美貌のタイプも異なる二人の名花魁を少女期から育てた楼主の回顧録である。それなのに、小夜衣の魅力は細やかに語られるものの、対等のヒロインのはずの胡蝶には辛い書きぶりである。???と読み進めていったら、ラストで!!。なるほど。直木賞をとった「吉原手引草」の方が凝ってはいるが、こちらの方が人物像がたっているし、爽やかな読み心地で、個人的には好み。しかし、文章の上手い作家だなぁ(その分スルスルとひっかかりなく読めてしまう弊害はあるが)。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2017年4月2日
- 読了日 : 2014年6月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月2日
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