ZOKU (カッパノベルス)

著者 :
  • 光文社 (2004年10月20日発売)
3.25
  • (21)
  • (34)
  • (165)
  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 424
感想 : 61
5

いやあ面白かったぁ、読んでてこんなに大笑いした本は久しぶりだ★(≧▽≦)
まさに、森先生の夢と愛情と妄想と悪戯心がつまった作品。
コメディ版『銀河不動産の超越』みたいな(笑)
森ミステリィもサイコーだけれど、こうゆう森作品も大好きです。

犯罪未満の壮大な悪戯を目的とする非営利団体〈ZOKU〉と、彼らの悪行を阻止せんとする科学技術禁欲研究所〈TAI〉。その秘密基地は真っ黒なジェット機と真っ白な機関車! 謎の振動、謎の笑い声、ばらまかれる芸術作品……。一体何のために? 被害者が気づかないほどのささやかな迷惑行為をめぐり、繰り広げられる悪と正義(?)の暗闘。痛快無比の物語。(にゃまぞんさんより)

読んでいてふと思ったけれど、森先生が描く研究者像って、今じゃ特別天然記念物並に希少な存在なんじゃないかな。
ひとつ前に読んだ作品にも、こんな一文があった。

『無駄なことがしたくないのなら、今すぐ死んだらいい』

なんだか、いち研究人として、ぐさりと突き刺さる一言でした。今の研究って、できるかぎり無駄を省いて、成果を求めるじゃないですか。でも、研究の本質って、寧ろその逆で、無駄を追及するものだと。
研究だけに限らず、今の日本では、すっかり忘れ去られた、大事な部分なのかも。

本作はコメディタッチで書かれてあるけれど、作品全体から似たようなオーラがじわじわ伝わってきました。そんな感じで、最終話の鉄腕アトムとスペクトルマン(笑)のやりとりなんかは、なんだかしんみりしてしまった。

今の日本には、正義の鉄槌ならぬ、悪戯の鉄槌が必要なのかもしれませんね(笑)

キャラとしては、ロミさんが大好きです★(o・ω<)b
森先生の描く女性キャラって、なんでこんなに魅力的でチャーミングなんだ(笑)

続編”Zokudam”では、ついに巨大ロボットが登場…?!
ああ、読むのが楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 森博嗣
感想投稿日 : 2013年12月24日
読了日 : 2013年12月24日
本棚登録日 : 2013年12月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする