ドイツ国防軍兵士たちの100通の手紙

  • 河出書房新社 (2016年3月15日発売)
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感想 : 7
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第二次世界大戦時、ドイツ国防軍の将兵などが故郷へ送った手紙をフランス人が紹介したもの。
ちなみに、一番興味深かったのは、兵士のものではなかった。
フランスを占領した軍に続いて、ドイツの中央銀行からパリに派遣された銀行員の手紙。支配者として贅沢な生活を満喫していると家族報告している。
著者の説明によると、この手紙の主は、その後一兵卒としてソ連軍との戦いに徴兵され、行方不明になったという。

さて、この本は膨大な手紙の中から著者が取捨選択しており、収集した手紙を分析した統計なども無いので、これで戦争の真実がわかる、というような性格のものではない。
ただ、戦場での暮らしなどを淡々と報告する手紙が多くて、政治とか、戦意に燃えているような手紙は少ない。意外とそんなものかもしれない。ヒトラーは普通に尊敬されてるけどね。
あとは、スターリングラード攻撃の途上や、Dデイ当日の手紙があって、かなり深刻な状況のはずなのに文面は深刻さが無く、情報がなかなか入ってこない現場の視点はこんな感じなのかな、と面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2017年3月5日
読了日 : 2017年3月5日
本棚登録日 : 2017年3月5日

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