この日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。恋愛長編。(「BOOK」データベースより)
ソラニンの毒であの人を殺せたらという物騒な考えも江國さんにかかれば可愛くみえる不思議。心の満たされない部分を楽しむ江國さんらしい小説。瑠璃子は自分の裏切りはよくても夫の裏切りには目をつぶるつもりはない。そしてソラニン。距離が近くなればなるほど相手の姿って見えにくくなるのかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
江國香織
- 感想投稿日 : 2013年4月5日
- 読了日 : 2013年4月5日
- 本棚登録日 : 2013年3月5日
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