- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163746609
作品紹介・あらすじ
言葉の魔術に、酔いしれる。生き別れた母を想い、馬と戯れ、小説の神様と向き合う。人気作家の「心わしづかみ」エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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浅田次郎さんの小説が好きだ。正直、そう公言できるほどに多く読み込んではいないが、今まで読んだものはすべて面白かった。このエッセイには、彼の小説への思い入れや、やめられぬ博奕である競馬との付き合い方などが懇々と書かれている。この本を読んだことがきっかけとなり、浅田さんを真似て1日1冊の読書を己に課してみることにした。幼い頃、無類の本好きだった自分を思い出す。浅田さんは本好きのまま読書を重ね、私は病で集中力を失ってからろくに本を読まなくなった。もちろんその差は埋められるものではないが、自分の人生に、やはり読書は欠かせないものであってほしい。
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この人の文章はいつ読んでも気持ちがいい。ごつごつと難しい言葉を交えながらも、読みやすく、ビートに乗れる。不幸は怠惰の結論であるという言葉は、長い下積み時代から努力を続け、このような文体を獲得した人の言葉だから説得力がある。
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我が読書の師、浅田大先生のエッセイ集。
収録されているエッセイは、1990年代のものから2000年代後半のものまで幅広く、その時々の事情もうかがえ、なかなか面白いものでした。
浅田さんは、社会人時代を中心に、何でもソツなくこなしてしまうから人の避けることばかりを率先してやり、いわゆる「器用貧乏」だったらしいですが、全く他人事ではないのです。自分も何かのスペシャリストになりたいと思い、セコくニッチに色々チャレンジしたりしましたが、瞬間風速的に抜け出すことはあっても継続は難しく、上には上がいるものです。最近はすっかりあきらめモードで、それならいっそ、器用貧乏のスペシャリストを目指そうかと思ったりします。 -
浅田さんのエッセイを読むのはこれが初めてだったのですごくわくわくした。実際に読んで吃驚したのも事実、励まされ、意外に納得し、所々で戸惑い、様々な発見をもたらした一冊だった。文体もどちらかというとかためなのに、小説になると途端にスイッチが入ったように人物が浮かび上がって生き生きと動き回る。こういった目線で書いているのか、とか、本当に好きなものには目がないのだなとそこかしこで感じさせられる。うちは頭がかたいので会得するにも時間がかかる。速読でもないが飛ばし読みもしばしばやるのだが、これはじっくりと読んでしまった。だったら小説の方をじっくり読めばいいのにと思うが、小説は引き込まれて読んでいることを忘れるのでじっくり読むということができない。何はともあれ、すごく楽しい時間を過ごすことができるエッセイだった。
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以前読んだ、浅田次郎さんのエッセイは結構爆笑物のエピソードが多かったですがこれはどちらかというと真面目な感じです。
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座右の銘は孔子の「論語」から。
訳すと、ボーッとしているくらいなら博奕でもしているほうがまし、だって。
さすが生粋のギャンブラーですね。 -
エッセイ。
さすが先生!と言いたくなるぐらい豪快。
小説家って大変な職業です。 -
本当に文章が好きなんだなってわかるエッセイ。作家になるために生まれてくる人もいる。「小説家という聖職」にこの人の文章に対する愛がギュッと詰まってるように思った。
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浅田氏のエッセイは今までコミカルなものが
多かったけどこれはちょっと硬めでした。