- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344012844
感想・レビュー・書評
-
45歳同士の熟年カップル。
つき合い初めの頃、「心中する前の日の心持ちでつき合っていかないか?」
と男は言い、その言葉通り、満身の力であらん限りの愛情を女に注ぐ。
この年まで独身で生きづらさを感じていた女は、溺れるほどの男の愛に、
これまでの人生の意味を知る。
まさにベターハーフな二人は、幼稚で平和でラブラブである。
二人の世界は自転車で行ける範囲だけだし、お金もないけど、
そんな事は意にも介さず、優雅な二人の世界を満喫する。
ちょっとした行き違いから、離れてしまった二人が元に戻った時は甚く嬉しくて、
弱さを含めて人をまるごと受け入れるって、こういうことなんだなと。
愛をもらったら、もっと大きな愛を返そう。これ教訓。
ケータイ小説のようにどちらかが死ななくても、
愛の深さに涙を誘う小説を書くエイミーはすごい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ゆるゆるとページを捲るのに最適な本。
言葉が洒落ている。
最初から最後までずっと死の匂いがしていて、それが2人を特別にしていると思った。 -
45歳、独身の慈雨(女性)と、同じく今は独身の栄との恋愛を軸に書かれた小説です。
2人の恋愛の様子はオトナの恋愛、という感じではなく、人間、外見の年齢とおなじように中身も一年ずつオトナになっていくわけではないのだなあ、と感じます。
もちろん、そんなラブラブな2人の間にも、恋愛の山はあらわれます。
そこが山になるの!?という感じでした。
慈雨の母親が、自分を悲劇のヒロインにするタイプ、かつ子離れできていないタイプだったので、母親が登場する場面は少々つらいものがありました。
母親は70代の設定でしたが、こちらも、年齢があがれば精神的な成長も追いつく、というのは思いこみであることを教えてくれます。
自分がいずれなるだろう年代の、ひとつの生き方の例をみせてもらった感じでした。
ただ、タイトルの意味が、読み終えた今でもつかめないのが悔しいです。 -
ちゃんと「恋愛小説」を読んだ、という充足感。
恋愛小説と言いつつ、恋愛は代替可能な道具で、結局「自分探し」かーいみたいな話じゃなくて、慈雨も栄もきちんと自分を引き受けた上での関係だったのが良かった。
どん底の痛みまで引っくるめて(だって人生に不穏なものがないわけがない)とても健やかに感じられる作品だった。
著者の作品は数作読んでいるけど、ダントツでこれが好き! -
そうそう、山田詠美はこんな文体の人だった。
思い出しつつ読んだけど、今はあまり心に響かず。2914/8/17 -
初読
和風ラビット病中年編、かな。
中年男女の日々の営みが淡々と、と言いたいが
あんまり淡々とはしていないかな。
思ったよりは良かった、が、
この選民意識、なんとかならんものか。
なんだって自分を引き立たせるための存在がいつだって必要なんだ。
今回はその役割を与えられた義姉と上の姪が最後になって
別の描かれ方をされてたから救われましたが。
もうずっと「ハイハイあなたは素敵素敵。」
と言いたくなる作品ばかり読んでるような・・・。
もう読むのやめろって話なのか?(笑) -
日常の落ち着いた40代の恋物語。
自身がそんな世代になり、感じるところのある深いお話。日本語の表現がとても美しい。 -
父親の・・・ところで自分に置き換えてかなり辛かった。
大人の恋愛っていいな。
読み終わってとても恋がしたくなった。 -
ほし
0
諦めました