息子へ。

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784344019935

感想・レビュー・書評

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  • 直接的には著者飯野氏の中学生になった「息子」へのメッセージであるが、テーマは「現在の私の世代から未来の世代全体へのメッセージ」である。日本語と英語が平気されている。15分で読了。
    メッセージはわかるのだが、本にするには薄すぎた。

  • 「Dの食卓」開発のころについて飯野さんが書いた本を読んだことがあります。
    技術の限界を、ゲームの世界で追求する姿は、未来が今すぐそこにあることを実感させてくれました。
    その後、なにをされているのかな、と思っていたら、この本を見かけました。

    私も、こどもに恥じない生き方をしたいです。
    自分で説明できないリスクを、自分のこども、未来のこどもたちに負わせたくはありません。
    しかし、現実を明らかにすれば、現在の生活に深刻な痛みを負うひとたちがいることもたしかだと思います。

    すぐ読み終わります。
    どう生きるか。
    それが問われる一冊です。

  • 原発に賛成するも反対しないも、まずは意見を表明することから始まる。それがないと、話が始まらない。

  • 「生活の豊さ」と引き換えに「自分の世代より先まで影響を与えてしまう可能性があることには手をだしちゃいけない」
    そのとおりです。

  • ブログにアップされた文章を書籍化したもの。本という体裁とか、挿絵とかの、あとから追加されたパッケージでついオトナの寓話的に読んでしまうけど、一人の父親が息子に向けて書いた私的な手紙(私的じゃない手紙ってあるのかわかんないけど)だと思ったほうがすんなり読める。だからこれは「正しい・間違ってる」基準じゃなくて、「届く・届かない」基準の話なんだろうなと思う。手紙なんだから情緒的なのは当然。

  • 原発について、「未来の息子たちへ」と語りかけるように、優しい文章で書かれている。
    「お前も、勉強してくれ。勉強して、自分の意見をもってくれ。」というところが印象的であった。
    イラストがとても可愛らしい。

  • 東日本大震災後に起きた原発事故を受け、原発の要不要について、筆者(ゲームソフトウェア制作者)の個人的な見解を表明したもの。次世代にツケを残すという点において、反対の立場に立っている。電力不足の問題はあるが、地震が多い日本が選択する発電技術ではないと私も思う。新技術開発、節電に知恵を絞るべきと考える。

  •  震災と原発事故の後に息子と話した“原子力発電”のこと。その時には伝えきれなかった、「パパはどう思っているのか?」ということを父が『息子へ』語りかける。

  • ゲームクリエイター・飯野賢治氏が福島の原発事故の後に子供たちに送ったメッセージです。平易な言葉の中にも、深いメッセージがこめられています。

    この本の基になっていたメッセージはとても有名らしく、いろいろなところで取りざたされていたみたいですね。この本はそれを書籍したものです。福島原発の事故以来、その是非があちこちで議論されるようになって以来、この薄い冊子、読んでも大体2・3分ですんでしまう物の中に、ものすごく深い思想や哲学がこめられている。そんな気がいたしました。

    文章は日英対訳で書かれており、日本以外の国の人間も読めるように工夫がされてあって、改めてこの問題が日本だけのものではなくなってしまったのだなと、思わずにはいられませんでした。僕は中学・高校のころに核問題について色々映像なんかを見ていたことがあって、こういうことが起こるとどういうことになるかはなんとなくわかっていましたが、まさかそれが自分が生きているうちに現実になるとは思っても見ませんでした。

    そして僕がこの本の中で一番好きな箇所は原発に反対する理由として
    「自分の世代より先まで影響を与えてしまう可能性があることには手を出しちゃいけない」
    という言葉で、一度崩壊すると何世代にもわたって、影響を与え続ける原子力。今回の事故はそれを人間の力で抑え込むことが出来るという思い上がりが起こしたんだなとそんなことを思っています。それを知らずに堂々と原発の恩恵にあずかっていた自分も恥ずかしかったですね。未来のことを今だからこそ、話し合わなければならない。この本を読んで、その想いがなおいっそうのこと強くなりました。

  • 震災から時間がたってやっと心の揺れも治まって来た。そんな時に出会った本。

    これからの時代、コミュニケーション、違う言葉で言い換えれば、絆、関係性、文脈かな。
    僕らの生きるうえで中心に考えられたり、位置づけられたりすることだと思っている。

    そうやって生きるうえで大切なことは、個として自分自信が大地の上に立っていること。

    震災に伴う原発事故によって、エネルギーに対する意識が自分ごとになったよね。
    いままで、一ヶ月に一度の請求書を何も疑わずに生活していた。
    エネルギーに関する情報は、電力会社が独占し、僕らにはお金を請求するときだけ開示されてきた。

    民主主義って何だろう。僕は、選択する権利と、責任を理解し、自分で考え行動できる事じゃないかなと思っている。その行動は、心配りに成り立っていくんだ。

    もっと、エネルギーと仲良くなろう。一ヶ月に一度しか開かない扉の、隣人との関係性は無理だけど毎日エネルギーに向き合ってみようじゃない。

    それを実現する技術や、サービスはこれからどんどんでてくるはずだ。

    さ、皆で考えて、エネルギー民主主義を実現しよう。

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著者プロフィール

1970年生まれ。高校中退後、ゲーム業界に身を投じ1994年にソフト開発会社WARPを設立。自ら脚本・監督・プロデュース・音楽制作まで務めたミステリーアドベンチャーゲーム『Dの食卓』はその独創的なアイディアが国内外で話題となり、累計100万本のセールスを記録する。その後も『エネミー・ゼロ』、『リアルサウンド』など、常に「ゲーム」の枠と常識を打ち破る作品を精力的に生み出し続けた。2013年没。

「2014年 『ゲーム Super 27 years Life』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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