日本以外全部沈没 [DVD]

監督 : 河崎実 
出演 : 小橋賢児  柏原収史  松尾政寿  土肥美緒  ブレイク・クロフォード  キラ・ライチェブスカヤ 
  • 角川エンタテインメント
2.64
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111283177

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの9.11同時多発テロから10年後の、2011年。
    原因不明の大規模な天変地異によって、アメリカ大陸が一週間で海に沈んだ。
    世界各国が合衆国からの難民を受け入れたものの、犠牲者の数は天文学的数字に。ペピトーン合衆国大統領と政府首脳はエアフォースワンで脱出、日本の沖縄米軍基地にやってくる。また、ハリウッドのトップ・スター、ジェリー・クルージングと妻のエリザベス・クリフトも、自家用ジェットで日本への移住を果たした。
    一週間後、中国大陸が沈没を始め、その一週間後にはユーラシア大陸すべてが沈没。その2日後にはアフリカ大陸、さらに翌日にはオーストラリア大陸が沈没。結局、数週間で地球から日本以外のすべての陸地が沈没してしまった。
    やがて、小さな日本列島に次々と命からがら生き延びた避難民たちが押し寄せた。食料は不足し、物価は高騰、失業率も急上昇し、日本は大混乱となった。
    外国で裕福な暮らしをしていた者や、高いポストに就いていた者たちも、日本では仕事がなく、極貧生活を強いられるようになった。そして、外国人犯罪が驚異的に多発する。
    海外からの大物芸能人たちは、最初こそはもてはやされたが、彼らの出演しているTV番組はすぐに視聴率が低迷。また、捕鯨禁止を訴える国がなくなったため、鯨が自由に食べられるようになり、英会話学校はすべて倒産。
    外国人向けの日本語学校が繁盛した。
    新聞記者“おれ”(小橋賢児)の妻キャサリンは、アメリカ人だった。“おれ”が無神経な言動で外国人蔑視を強めるのと比例して、キャサリンの“おれ”への愛情は冷めていった。
    やがてキャサリンは“おれ”と別れ、落ちぶれた彼女のかつてのヒーロー、ジェリーと出会う。
    日本だけを残し全ての大陸が沈んでしまった近未来を舞台に、世界レベルで巻き起こる大騒動を描いたパニック・ムービー。
    原作は、小松左京のベストセラーSF小説『日本沈没』を鬼才・筒井康隆がパロディ化した『日本以外全部沈没』。
    「日本沈没」では、世界的危機を国籍や利益や利害を超えて協力して回避しようとする。
    だが、「日本以外全部沈没」は、真逆。
    世界的な大国が、国土を失って権威を失って、日本にひざまづいた時、難民として日本に入国した外国人をメイドや奴隷のように低賃金でこき使うなど、日本人が今までアメリカなどに媚びを売ってきた反動で、「日本に馴染めない外国人は強制退去処分」など外国人を虐げる政策を出して実行する。
    主人公の友人の妻が、生まれてくる子供に作った童話「小さな手袋」は、小さな手袋に最初の頃はネズミだけが住んでいたが、他の生き物も仲良く住むようになるというストーリー。
    協力して助け合うべき時に、排他的な方向に暴走する。
    「日本なんてそんなレベルなんだ」という強烈な皮肉が、込められている。
    ラストのオチは、「人間なんてそんなもん」という皮肉が込められていて、筒井康隆らしい皮肉が込められているSFパニックコメディ映画。

  • いやーくだらなかった。あまりにくだらなさすぎてかえって感動したほどだ。
    でもこのくだらなさ、この幼児性が、日本人の本質を表しているような気がして、また、今や現実のものになりつつある気がして、笑えるどころか、そら恐ろしくなった。

  •  スタジオドラマ感がするのは、群集シーンがないからである。この映画を見るとパニック映画に群集シーンは欠かせないと感じる。この映画はパニック映画ではなく、パロディ映画なのであるが、群集シーンがないのでコジンマリしてしまった。この映画の惜しむべくは、魅力的なヒロインを配せなかった点だろう。米英のパロディ映画と比べれば毒が薄いくらいだ。もっと徹底的な差別映画に仕立ててほしかった。

  • 小松左京の『日本沈没』を元ネタに、「筒井康隆」がブラックユーモアいっぱいに書き上げた伝説的パロディSF『日本以外全部沈没』の映画化作品です。

    中学生の頃に小説を読んだことがあるんだけど(多分)、、、
    断片的にしか覚えていないんですよねぇ。

    -----story-------------
    2011年、原因不明の大規模な天変地異が起こりアメリカ大陸がわずか一週間で海に沈んだ。
    そして、その一週間後には中国大陸が、さらにはユーラシア大陸、アフリカ大陸が次々に沈没、数週間後には日本以外のすべての陸地が沈没してしまう。
    小さな日本列島に、世界中の難民が押し寄せる。
    日本に避難してきた各国要人は合衆国大統領でさえ日本の首相の言いなりにならざるを得ず、やがて日本人は特権階級としての地位を享受し始めるのだが…。
    -----------------------

    登場人物が、現代風に置き換えられていて、、、
    特に「金正日」総書記が出てきたシーンには驚かされましたね。

    大丈夫か、この映画… って感じ。
    各方面からの批判もあったのではないかと思います。

    原作は、ナショナリズムや人種差別を逆説的に批判している内容のはずなのですが、そのあたりがキチンと伝わってない感じがしましたね。
    外国人の方が観ると、不快ですよね。きっと。

    あと、意図的なのかもしれませんが、チープな作りがちょっと気になりましたねぇ。
    特撮があまりにもチャッチイですね。

    面白くないことはないけど、今ひとつ… って感じでした。


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    監督: 河崎実
    監修: 実相寺昭雄
    プロデューサー: 二木大介
             河崎実
             鈴木政信
    企画: 叶井俊太郎
    原作: 筒井康隆
        『日本以外全部沈没』(角川文庫刊)
    脚本: 右田昌万
        河崎実
    撮影: 須賀隆
    特撮: 特撮研究所
    美術: 池谷仙克
    音楽: 石井雅子
    原典: 小松左京
        『日本沈没』
    照明: 岩崎豊
    録音: 星一郎
    助監督: 落合崇
    出演:
     小橋賢児 おれ
     柏原収史 古賀
     松尾政寿 後藤
     土肥美緒 明子
     ブレイク・クロフォード
     キラ・ライチェブスカヤ
     デルチャ・ミハエラ・ガブリエラ
     リカヤ・スプナー
     岡村洋一
     イジリー岡田
     つぶやきシロー
     ジーコ内山
     松尾貴史
     デーブ・スペクター
     筒井康隆 (特別出演)
     黒田アーサー
     中田博久
     寺田農
     村野武範 安泉首相
     藤岡弘 石山防衛庁長官

  • 原典小松左京 原作筒井康隆の作品が映画化。
    2006年作品
    パロディを作るほどに『日本沈没』は、すぐれた作品だったのだろう。
    日本以外全部沈没は、
    科学的な根拠が、まったくなくトンデモ作品であるが、
    何か、パロディにはひかれるので見てしまった。

    この作品を見て、
    日本のパロディはなんて趣味が悪いのだろう
    と思ったりした。
    登場する日本人の品格のなさにあきれるばかりだ。
    原作者の筒井康隆もでている。
    風で転がるごみのような作品かもしれないが、
    日本のパロディの文化水準を知る上で、
    画期的な作品とも言える。
    パロディを作るには、強靭な精神力がないと
    作れないし、科学、歴史、ニンゲンに対して深い造詣がないとつくれない。

    原作の持つ、精神的なレベルの低さが出ているのか?
    映画制作者のレベルが低いのか?
    悩んでしまうほどだ。
    この作品を見れば、ホンマモンのパロディ作者は
    安心して作れることだろう。

    場末のクラブが、舞台となり、
    アメリカ大統領、中国の主席、韓国の大統領。
    それを、『フフン』と笑う日本の総理大臣。
    北朝鮮の主席も、登場して、引っ掻き回す。
    73年 日本沈没の小野寺役の藤岡弘が、
    石山防衛庁長官をやって、
    『この際に、アメリカの在日基地を日本に返還しろ』
    という交渉を首相に要請するところだけが骨があった。

    あーぁ、後は、語っても、文字の無駄だ。
    日本のパロディ文化がもっと発達するように懇願する。
    グローバルに生きていく日本人として、その素養は必要だ。
    農耕民族はパロディを作る素養がないのだろうか。

  •  最近、筒井康隆さんの本を読んで面白いと思ったので、原作は未読ですが映画の方を観ました。

     小松左京さんの「日本沈没」のパロディで(自分はその作品の本も映画も観たことはありませんが)、日本以外の国が沈没した世界が舞台であり、日本に各国から人が押し寄せそこで起こる出来事をユーモラスに描いた作品です。
     
     観る前の勝手な想像では日本以外の国が沈んでいく過程を色濃く描いているのかと思いきや、映画では日本に人が押し寄せた後のことがメインに描かれていました。
     人が一気に増えたことにより、職にあぶれ、治安が悪化し、食料が高騰、外国人の排斥が始まっていく過程を見ていると、中々リアリティのあるもので、ユーモアなしの映画であったら相当きついものになったと思います。そして最後には驚愕の落ちが待っています。
     
     外国人キャストの日本語のセリフがなかなか聞き取りづらい部分はありますが、最後まで飽きずに観ることができ、笑いあり、シリアスあり、下ネタありの良い映画でした。

  • タイトル通り『日本沈没』に乗っかった悪ノリ映画。
    原作が原作なだけに、チープなのは仕方がないかなと思う。

  • 酷いなw

    安泉総理…返り咲いた経緯を鑑みれば先見の明があったのか?
    でもどっちかというと菅直人似だよなこの俳優。

    小橋賢児の妻役のキャサリン入浴シーンでニューヨーク沈没したシーンで一度見たことあるのを思い出した。

    だが、オチ思い出せない。
    そして見たことすら忘れてもう一度見るのだろうな。
    てか、本家の日本沈没見たことない。

    これが今更上映されたら、当時以上に中韓炎上しそう。


    うまい棒10万円か…
    うまい棒食いたくなってくるな。

  • もっと笑えるパロディだと思ったので、排他的な日本人を皮肉ったような描写が多くてびっくりした。

    ものすごいB級感のわりには面白かった。

  • <閲覧スタッフより>
    【SF文学諸作品】
    国内外のSF小説黎明期から現代まで、定番を中心に様々な作品を集めました。中には映画化されたものもあります!お気に入りの一冊を探してみてください。

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    所在記号:MOVIE||||ニホ
    資料番号:20085475
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著者プロフィール

1958年東京都原宿生まれ。明治大学在学中から特撮8ミリ映画を製作。卒業後CMプロデューサーを経て森田健作の復活プロデュースを機にフリーとなり「地球防衛少女イコちゃん」(87)でプロデビュー。映画『いかレスラー』(04)『コアラ課長』『かにゴールキーパー』(06)の不条理シリーズで各国映画祭に招待される。筒井康隆原作の『日本以外全部沈没』は第16回東京スポーツ映画大賞特別作品賞を受賞。2008年は松竹で怪獣映画『ギララの逆襲洞爺湖サミット危機一発』公開し、ヴェネチア国際映画祭に公式招待。2009年は日本映画批評家大賞の特別敢闘賞を受賞。ほかにモト冬樹主演『ヅラ刑事』(06)『猫ラーメン大将』『髪がかり』(08)、AKB48メンバー主演『地球防衛ガールズP9』(11)、壇蜜主演の『地球防衛未亡人』(14)。『アウターマン』(15)、TV「怪獣酒場カンパーイ!」(15)、『大怪獣モノ』(16)、『干支天使チアラット」(17)「乳首ドリルの逆襲」(18)。日本一のバカ映画の巨匠と呼ばれている。

「2019年 『バカ映画一直線!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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