Interpreter of Maladies

著者 :
  • Fourth Estate Ltd
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780006551799

感想・レビュー・書評

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  • 2000年にピューリツァー賞を受賞した、『停電の夜に』の原作。邦題はもちろん何度も耳にしたことがあったけど、読んだ事なかった。作者自身がベンガル人、ロンドン生まれのアメリカ育ちという生い立ちを生かして、この短編集に出てくるキャラクター達のほとんどがアメリカで生活するインド人、という設定。すんごくひねられたプロットとか、最後に明らかになる驚愕の事実とか、読書するにあたり私が好むエンターテイメント性というものは全くと言っていいほどない本で、ただひたすら登場人物達の生活がしっとり、静かに語られるショートストーリー達。それでも読者に読み進ませる文章。翻訳版で『停電の夜に』と訳されてタイトルにもなってる"A Temporary Matter"が悲しい話ながらに好きだったけど(タイトルの訳し方がうまいなぁ、と今更実感)、"Interpreter of Maladies"で描かれてる人間臭さが一番面白かったかな。

  • 短編集。ピューリッツァー賞受賞作品。

    「移民もの」とい言葉ではくくりにくい。インドでのエピソードが描かれているものも2編ほど。

    インド人の場合、難民以外はアメリカで社会的地位の高い仕事に最初から就いてたり、大学院に在籍してるのねー。そこが日系や中国系の移民ものと違っていて面白かった。

    個人的には標題と同じタイトルの作品と最後の3編がよかったな。

    別にインド人(またはインド系アメリカ人)でなくても変わらないようなものもあったけど、それとは別に切なさが直截的でない表現で伝わってくるところは上手だなぁと思った。

  • 何度も読み返している短篇集。一話目の"A Temporary Matter"が静かで哀しいけど好かった。子供を死産してしまって以来、擦れ違い続けたカップルの話。既婚男性に惹かれてしまった若い女性が主人公の"Sexy"も気に入った。どちらも切なめ。著者はインド系の女性で、それが作品にも影響してる。彼女の写真は見返しに載っていて、物凄い美人。

  • the namesakeを読んで以来、大好きな作家ラヒリの、短編集。「珠玉」という言葉がよく似合う本だなぁと思った。
    自分のルーツと異なる地で育った者の視点が、どんな人物を描く時でも活きている。そして私は、自分が二つ存在するあの感覚に親しみを覚えます。

    the texture of the lights, more than its intensity...目に、耳に届く愛よりも、その下に流れる、privateでdelicate, sensitiveな情を浮かび上がらせる。
    甘く愛しい気持ちよりもさらに一皮下の、めぐり続ける血のような、相手の人間への「想い」。身体にうめこまれた想いとでもいうか・・・
    いのちが、あいが、fadeして終わる様が淡々と語られてる。


    ろうそくと告白、キャンディと祈り・・・あとはインド人女性の横顔によく浮かぶ、けなげさと諦めの色。秋色だねぇ。愛らしいな。

  • 2008年夏、アメリカの書店にて購入。
    旅立つまでの数ヶ月間で、日本の書評で何度かジュンパ・ラヒリの名前を見かけたので。
    アメリカへ渡ったインド人の物語を、アメリカから帰る飛行機の中で日本人が読む。

    "Sexy"の'You're sexy.'っていうセリフが出てくるくだりが印象的だった。タイトルから、どういう意味なのだろうと思っていたら、そういう捉え方もあるんだなぁ、と。

  • まだ読み切っていないが,長く印象に残る一冊。装丁もいい。

  • The Third and Final Continent が一番好きでした。

  • アメリカ版向田邦子?
     平易な英語でありながら、微妙な人間関係を味わい深く表現できるのだから、すばらしい。表題作interpreter of maladies はとてもおもしろかった。

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