村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022316

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/66723

  • 面白くて一気に読んだ。文章にリズムがあって、ふざけていて?筆者の熱い気持ちが伝わって、疾走感、読み終わって息が上がってる感じ。タイトルもいい。
    伊藤野枝の評伝といえば、遠い昔、学生の頃に読んだ瀬戸内寂聴「美は乱調にあり」。内容、雰囲気ほとんど覚えていないが、なんか憧れを感じていたような気がする。ものすごく平凡な人生を送って、あの頃の私に謝りたい気分だ。いや、今からでも遅くない!と言いたいが、伊藤野枝は28歳で亡くなってるんだもんな。
    高等小学校卒業の写真が14歳に全く見えない。

  • まさに「爆裂評伝」。

  • のえの生き方は面白い。
    ただ、作者の書き方、考え方が気持ち悪い。
    のえ至上主義。
    客観的に書かれていた方が面白かったと思う。

  • 良くも悪くも、著者の野枝愛を感じた。

  • あんなに話題になっていたのに読んでなくてすみません、すみません。
    いや、これびっくりだ。まさかあの伊藤野枝をこんなに軽やかにpopに語る評伝だったなんて、しかも岩波だし!
    そりゃ読んだ人がみんな面白かった!って言うわ。私も言うわ、面白い、まじロック。

    約100年前の日本の状況。人々の暮らし、思想、変化の兆し、追ってくる足音。
    教科書でかすり、少し興味を持ってかじり、別の人の話の中で見ていた伊藤野枝と大杉栄の、その熱くて濃い人生。いったい何人分の人生を生きたのか。
    ヒトに迷惑かけようが、ヒトからとやかくいわれようが、そんなこたぁどうでもいい。
    自分が思うように、好きなように、自由に生きる。命を懸けて生きる。生き抜く。
    どうしたらこんなに思い切った道を歩けるのか。
    彼らのことを全く知らない人が読んだら「こんなやつぁおらんやろ」と思うだろう。それほど強烈鮮烈激烈。
    今まで知らなかったことをたくさん知った。でもまだ足りない。足りないね。

  • 「こまったときにひとをたすけようとするのが、アナキスト。殺そうとするのが、官憲だ」←そり
    資本主義も貞操観念も唾棄すべきものというポーズは取っていてもやはり会社に勤めて給料をもらったり一夫一妻制にこだわったりしてしまうのが一般的な生活態度だと思うが、実生活においてもアナキズムと自由恋愛を貫き通し、なんとかなるの精神で生き抜いた(そして殺された)人がいたという本。
    こんな人でも自分の中の奴隷根性を捨て去ることに困難を感じていたというのは無力感を覚えるが、社会の枠を外れて極端に走っても案外暮らしていけるのかもという希望も持てた。

  • 火傷しそうに熱く一気読み。「行き先なんて分からなくていいからひたすら真っ暗な闇に向かって走っていけばいい」。一人のおんなの堂々と駆け抜けた光の跡は、熱いのではなく、不思議と温かい。冷えきって挫けそうなとき、彼女が温めてくれた道を感じたい。

  • ☆気の強そうな、人によっては身勝手な女だと思うかも。

  • あんまり面白くない。
    真ん中くらいまでは読んだけど、時間がもったいない気がしてやめた。自由を求めるってのはいいけど、子供捨てといて、またすぐ妊娠してるのって、なんか無責任にしか思えない。子供がかわいそうすぎる。なんかちがくない?自由な恋愛をしたいなら妊娠は避けろよ。なんか変。何か足りない。思いやり?思慮?
    あと著者はノエをわがままと言ってるけど、違うと思う。
    ノエは男の人にリンチされたり、辻に暴力振るわれたりしてるから、本書に書かれていないような苦しさを想像してしまうけど、大杉に感じるこの不快はなんなんだろ?ただ好き勝手やりたいだけ。自由恋愛とか言って、市子にお金もらってるし。自分に都合よく女を使ってるだけでは?青山菊栄はかっこいいと思った。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。

「2018年 『狂い咲け、フリ-ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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