- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000072687
感想・レビュー・書評
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書かれた時代の少年少女達は100歳くらいになっているけど、著者が当時の若い世代に託したかった事が戦後成し遂げられたかな?それが今なのかな?今の日本人を見てどう思うのかな?といろいろ考えました。
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特に「六 雪の日の出来事」「七 石段の思い出」が好きだ。
どうしておなかの中で思っていただけで行動しなかったんだろう。自分は卑怯者だという悔悟がいつまでもじくじくと胸に残る。嫌なものだ。避けられるものならば避けなければならない。そんなことを思い出させてくれた。美しい説話だ。 -
話題の作品ということで手をつけてみました。
子供の目線でいえば大人からこんなこと教えて欲しいというよう内容だし、大人からすると子供に教えたいという内容でした。 -
戦前の本だけど今でも十分通用するのでは。
道徳の授業向けの本。 -
素直な少年の気持ちが描かれている
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1937年7月、『日本少国民文庫』の最後の配本として出版された本書の初版を底本に、仮名遣いや振り仮名の整理をして2006年に復刊されたもの。盧溝橋事件から日中戦争、そして大東亜戦争へと突き進む時代の中で、将来を担う少年少女に人としていかに生きるのかを問うている。
生き方の根底にある人間の特性、社会や経済の実態、生物や自然の特質といったことも、中1の主人公コペル君の体験からの気づきを踏まえて、叔父さんのノートが展開していくという構成で、読者としても視点転換が促されるストーリーになっている。
巻末の丸山真男の解説にもあるように、大学を出てからまもないという叔父さんのノートの内容の博学さ・立派さに、コペル君のようにも考えていない自分自身に恥じ入ってしまう。まあ、その気づきを少しでも糧にできればOKだと思っておく。
18-39 -
この本が書かれた時代、背景を頭に置いて読むと、より一層考えさせられる。
どの時代であろうとも、どう生きるか、どう考えるかが重要であり、それを行動に移すのが難しいのは変わらない。
大人になると、考えずに流されてしまう事が増えてきた。改めて視野を広く持ち、物事を考えてみようと思う。 -
漫画本になったやつを借りて読んでみたら,本物も読みたくなって手に取りました。
この岩波文庫版が底本にしているのは,『日本少国民文庫』の一冊として新潮社から発刊されたもの(元々の版)です。その後,再販する際,本人が2度書き換えていますのでご注意を。
巻末には丸山真男氏の「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」という文章が収録されています。この文章は,もともと吉野さんが亡くなった際,岩波の月刊誌『世界』に寄せた原稿らしいです。想像通り,とても読み応えがありました。本書が戦時中に書かれた価値,そして,戦後も読み続けられてきた意味が,しっかりと論じられています。私は,この丸山氏の解説を読みたくて本書を選んだので,よかったです。
丸山氏は,カウツキーの『資本論解説』がいい入門書であるけれども,結局は「資本論からの演繹」になっていることを指摘したあとで,
『君たちは…』の場合は,ちょうどその逆で,あくまでコペル君のごく身近にころがっている,ありふれた事物の観察とその経験から出発し,「ありふれた」ように見えることが,いかにありふれた見聞の次元に属さない,複雑な社会関係とその法則の具象化であるか,ということを一段一段と十四歳の少年に得心させてゆくわけです。 (313p)
と述べています。さらに,本書と徳目を教えるだけの道徳教育との違いも述べています。
「知識」-実はここの情報にすぎないもの-のつめこみと氾濫への反省は,これまたきまって「知育偏重」というステロ化された叫びをよび起し,その是正が「道徳教育の振興」という名で求められるということも,明治以来,何度リフレインされた陳腐な合唱でしょうか。その際,いったい「偏重」されたのは,本当に知育なのか,あるいは「道徳教育」なるものは,-そのイデオロギー的内容をぬきにしても-あの,私達の年配の者が「修身」の授業で経験したように,それ自体が,個々の「徳目」のつめこみではなかったのか,という問題は一向に反省される気配はありません。(325p)
これって,現状を見て書いたの?と思われるほど,今の教育界にもあてはまることです。道徳の教科化を推進するのは,ある徳目を単なる知識としてつめこむにすぎないのではないかと危惧するのです。 -
痛みを感じるということはそれは本来の健全な姿ではない事。
世の中の不幸に痛みを感じるのは大事な事だ。
皆が痛みを感じて良くして行こうと努力するとき平和で幸福な世界ができる。
子どもの頃の優しい気持ちを思い出させてくれる。 -
嫌なことから常に逃げてきたなー。
立ち向かっていたら人生変わってたな。