希望と絆: いま、日本を問う (岩波ブックレット NO. 763)

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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094634

感想・レビュー・書評

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  • 本来社会というものは、市場にも還元されませんし、政府にも還元されません。社会が市場を支え、市場が社会を支えている。そういう時代です。
    韓国も日本と同じくらい自殺者がいる。希望がないのか。
    インドでは毎年2万人の農民が自殺する。
    北朝鮮との外交にとって、異常なのは日本とアメリカくらい。EU各国は正常な国交を持っている国が多い。
    北朝鮮の地域研究をする旧帝国大学はない。
    北朝鮮にも文学はある。
    東大で希望学の講座ができた。
    今後、日本はどうなるのだろうか。

  • 本書は、政治学を専門とし

    最近はベストセラー『悩む力』や

    テレビ等での活躍でも注目される著者が

    現代社会の病巣を検討する著作です。


    著者が長野県松本市で行った講演をもとに、

    年間3万人を超える自殺者

    まともな議論・検証すら行われない北朝鮮問題

    そして、繰り返される無差別殺人―など、

    希望と絆が衰退した現在の日本・世界を概観したうえで

    それらを取り戻すためのキーワードとして、「正当性」に注目します。


    自殺者対策に携わる知人の言葉として紹介する「正直者がバカをみる」

    常識と非常識が徐々に逆転する恐怖など

    心に残る箇所は多くありましたが、

    20年代の「改造」、60年代の「シャンジェ・ラ・ヴィ」

    そしてオバマの「チェンジ」―と、

    「改革」に関する言説が40年おきに起きるという指摘は

    とても興味深く、こうした観点から他の出来事も見てみたようと思いました。


    政治学的に厳密な議論ではないものの

    語り言葉ならではの説得力を感じることができ、

    また、社会に「希望」を取りもどうとする真摯な姿勢が伝わる本書。


    個別の論点については、異なる認識・評価をお持ちの方もいるでしょうが

    そうした立場を問わず、多くの方に読んでいただきたい著作です。

  • ブックレットなのですぐに読めます
    日本の社会、大人、教育はこれからどうあればよいのか。ということが書いてあります。

  • いつの時代も結局求めるものは一緒なのかなって思った。

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著者プロフィール

1950年熊本県生まれ。東京大学名誉教授。専攻は政治学、政治思想史。主な著書に『マックス・ウェーバーと近代』『オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判』(以上岩波現代文庫)『ナショナリズム』(岩波書店)『東北アジア共同の家をめざして』(平凡社)『増補版 日朝関係の克服』『姜尚中の政治学入門』『漱石のことば』(以上集英社新書)『在日』(集英社文庫)『愛国の作法』(朝日新書)など。

「2017年 『Doing History』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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