- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000234313
感想・レビュー・書評
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三葛館医学 498.39||MO
自殺率ワースト1の秋田県。自殺は個人の問題ではなく社会的問題であり、防ぐことができる。との考えに基づき自殺対策に乗り出した秋田県で、自殺予防モデル事業に取り組んだ6つの町の自殺率が47%も減少した。実情を分析し、対策に取り組んだ著者の実際の取り組みとこれからの課題について。
和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=45440 -
いかに自殺を防ぐか、を公衆衛生学の視点から考えた本です。
日本でもっとも自殺率の高い秋田県で、どういった取り組みがされてきたのか紹介されています。
自殺を減らすためには個人だけではなく社会に働きかけること。
世代によって自殺に対する考え方が大きく違うという報告と、
多重債務など金銭的な問題に対しては、司法の専門家など他分野との協力が必要という意見が特に興味深かったです。 -
秋田大学医学部の教授が書かれた本です。
秋田県は自殺率がここ10年以上、一位となっており、2000年以降、自殺対策を積極的に行っている、自殺対策の先進地域です。
本書では秋田県で行われている自殺対策が具体的に説明されています。
この対策を行って数年たった現在も、自殺率は最悪となっていますが、一定の効果を奏していると考えていいと思います。
地域のあり方や人と人とのつながり、また自殺という問題について、再考しなければならないと思いました。 -
自殺の一番多い県だった秋田県が2000年から自殺予防プロジェクトを立ち上げ、自殺を減らす努力をはじめ、その成果がいかに上がったか。
根絶は無理でも、減らすことは確実に出来る…
交通事故死と自殺は減らすことが出来る死として国際的に検討され始めたのだとか。
うつ病についての一般的な認識を高めること。
簡単なアンケートを実施したり、その用紙を配ることでも認識は高まる。
相談に来た人がたらい回しにならないように、借金を抱えた人の相談にも乗れるよう、ワンストップの総合的な窓口を作ること。
低所得、家庭内暴力、離婚、解雇、失業といった生活上の問題に対して、福祉本来のセーフティネットを機能させることが重要。
近所の人が見守り、気楽に集まれる場所を作っておくことなど。
自殺が良くないとか恥ずべき事だというのではなく、生きる希望を持てる状況を作ることにつきる…
遺された人のカウンセリングも。
半減できるというのだから〜全国的にやってみるべきでしょう!
著者は1954年生まれ。96年から秋田大学医学部教授。秋田大学自殺予防研究プロジェクトの中心となる。
2006年12月発行。
2006年6月には国で自殺対策基本法が制定されたが、
その効果は・…? -
秋田県は、「自殺率日本一の県から自殺予防日本一の県へ」という悲願を達成するため、地域づくりとしての自殺予防に取り組んできたそうだ。個別的対策(ミクロ)から、集団を対象とした啓発活動(マクロ)を重視して自殺予防対策を展開したことに成功の秘訣があるらしい。本書では、社会的な人々の関係性(つながり)の再構築が自殺予防対策において重要という指摘がなされている。
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秋田県での自殺予防の取り組みについて書かれた本。社会的なつながりを再構築して、安心して悩める社会にしていきたいものですね。図書館予約数は5(07/02/01現在)です。