- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000240055
感想・レビュー・書評
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今まで「デザイン」という概念がつかみどころがなく、本書を読んでみたらハッキリ分かるのかと思ったが、明確に「デザイン」を定義することは難しいと感じた。
しかし、デザインは日常の中から新しい問いを発見し、それを解決していくプロセスであるということは原さんも再三述べており、新奇性を追求して競争することがデザインではない、ということは納得できた。
また、日本人はデザインの基礎教育が不足しており、例として住空間に対する美意識が低い(欲望の水準が低い)と言っていたが、確かにその通りだなと実感した。
日本人として、静寂さや空っぽの器の力をうまく利用するような独特な日本的なデザインを学び直したいとも思った。『陰翳礼讃』も本書で登場していたが、もう一度読み直してみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そうなると自社工場で製品をつくる「メーカー」の企業意識は当然変わってくるだろう。いわゆる「製造」から自由になって、商品開発、新しいマーケットの探査と創造、ITを用いた新しい販売ルートの開拓、商品を媒介した様々なサービスの供与などに事業を集中できる。p131
今日、市場にある顧客の欲望や希求はマーケティングによって高精度に「スキャン」されている。p.133
ここで言う「センスのよさ」とは、それを持たない商品と比較した場合に、一方が啓発性を持ち他を駆逐していく力のことである。p.135
着眼対局着手小局 -
開始:2023/5/28
終了:2023/6/4
感想
デザインは深い人間洞察に基づく営み。その本質は時代を経ても不変。デザイナーに求められるのは足し算ばかりではない。空の器を作る。 -
幾度目かの再読。初めて読んだのは15年ほど前で、以降折に触れて読み返している。読む度に新しい気づきがある。遠い地平に向けて書かかれており、当時は読んでいても気づけなかった事を、初めて読んだことのように瑞々しく感じられるのは、良書の証左。
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デザインやペイントや創作についてちょっと深まったかも。
田中一光とかもうちょい掘りたい。 -
マーケティングとデザインの話が面白かった。
デザインセンスのない国でダサいものを打っても売れる。そこにかっこいいものが出てくるとだんだんとデザインセンスが上がってきて気付く場合もある -
デザインの本質が書かれている1冊。
その道の人にオススメしていただいたが、知識が皆無の状態で読むには少々難解だった。読み応えはありそう。もう少し経験を重ねてから読み直したい。 -
GO課題図書
日本デザインセンターつくったひと -
第1章 デザインとは何か
悲鳴に耳を澄ます/デザインの発生/デザインの統合/20世紀後半のデザイン/規格・大量生産/スタイルチェンジとアイデンティティ/思想とブランド/ポストモダンという諧謔/コンピュータ・テクノロジーとデザイン/モダニズムのその先へ
第2章 リ・デザイン――日常の21世紀
日常を未知化する/アートとデザイン/リ・デザイン展/坂茂とトイレットペーパー/佐藤雅彦と出入国スタンプ/隈研吾とゴキブリホイホイ/面出薫とマッチ/津村耕佑とおむつ/深澤直人とティーバッグ/世界を巡回するリ・デザイン展
第3章 情報の建築という考え方
感覚のフィールド/情報の建築/長野オリンピック開会式プログラム/病院のサイン計画/松屋銀座リニューアルプロジェクト/情報の彫刻としての書籍
第4章 なにもないがすべてがある
田中一光から渡されたもの/無印良品の起源と課題/「が」ではなく「で」/WORLD MUJI/EMPTINESS/地平線にロゴを置く/ロケーション――地平線を探して
第5章 欲望のエデュケーション
デザインの行方/企業の価値観の変貌/集約されるメーカーの機能/マーケットを精密に「スキャン」する/欲望のエデュケーション/日本人の生活環境/日本という畑の土壌を肥やす/デザインの大局
第6章 日本にいる私
日本をもう少し知りたい/『陰翳礼讃』はデザインの花伝書である/成熟した文化の再創造/自然がもたらすものを待つ――「雅叙苑」と「天空の森」/世界の目で日本の上質を捉え直す――「小布施堂」/何もないことの意味を掘り下げる――「無何有」/たたずまいは吸引力を生む資源である
第7章 あったかもしれない万博
初期構想と「自然の叡智」/エコロジーに対する日本の潜在力/森の中に何があったのか/デザインのパースペクティブ/身近な自然や生命をキャラクターに/自己増殖するメディア/終わらないプロジェクト
第8章 デザインの領域を再配置する
世界グラフィックデザイン会議/デザイン知の覚醒/デザインと情報/情報の美へ/生命科学と美/情報とデザインをめぐる3つの概念/VISUALOGUE/徒歩で再び歩き出す世代に