- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000241809
感想・レビュー・書評
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ナウシカファンとして購入。はっきり言って全く面白くなかった。オタク的ウンチクも、批評的鋭さも感じず、なんか義務的に脱稿された文字のまとまりにすぎない印象。オタク、ファンなら別のナウシカ本をあたるべし。本書でも主たる批評書の言及があるのでそちらを参照されたい。
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王蟲のいたわりと友愛
2020/12/20 ★4.6
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私はあまり作品を批評したり考察したりする本を読まない方で、それはどこか上から目線に何だかズレた論点で作品が語られることに我慢ならなかったりするから
でもこれは違った
民俗学という学問からナウシカについて考えたことなど今まで全くなかったけれどその視点自体がとても面白かった
そしてそれだけでなく、25年もかけて書き上げているからこその熱量、そして作家や作品への愛を強く感じた
これはただの上から目線の本ではない
作品と対等に向き合おうとするその姿から溢れ出る愛が心になだれこんでくるような、魂が込められた本だと思う -
何かで見かけて。
民俗学の先生が書いたナウシカの本だが、
期待が大きすぎたようだ。
自分の見たことのない宮崎駿の過去の作品と、
ナウシカを比べた部分は面白かったが、
結局何が言いたいのかわからない。
日本人が書くこういう本にありがちといえば、
ありがちだが。
ナウシカがギリシア神話に登場する王女に由来するとか、
宮崎駿の物語には孤児が多いとか興味深い指摘もあったが、
善悪の二元論や黙示録を出してくるあたりは、
極東の深淵を、またはアジアの混沌がわかっていない。 -
中央公論(2020年11月)
ナウシカのかたわらで、コロナを想う 赤坂憲雄
https://www.iwanami.co.jp/book/b482341.html -
ナウシカのアニメではなく、漫画版の考察である。漫画版を通読したのは20年くらい前であり、事前に読み返した方が良かった。漫画版は宮崎氏が足掛け13年に渡って書き上げたもので、その間にはラピュタ、トトロ、千尋を作っている最中は中断するという長丁場だ。この本を読み、改めてこの話の奥深さを認識することとなった。母と子の視点などは、自分では考えたことも無かったので、良かった。人間社会と環境問題を宮崎氏独特の世界観を持って書き上げたこの漫画は、漫画の最高傑作のひとつであろう。昨今世界的に環境問題が大きくクローズアップされている。願わくばジブリでもネットフリックスでもどこでも良いので、全編が原作通りに映像化されますように。
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「風の谷のナウシカ」を読み返さずにこの本を読んだので大丈夫かと思っていたが,かなり丁寧に引用してくれていたので思い出しながら読めて分かりやすかった.アニメ版との対比,他の宮崎駿作品との関連性など詳細に分析し,色々考えさせられることの多いナウシカを綺麗に整理整頓してくれた.最後のドストエフスキーが出てきたのにはびっくりしたが,これだけが,ちょっと分かりずらかった.とにかくまた漫画を読み返してみようと思う.