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- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000265836
作品紹介・あらすじ
天皇制、会社主義、民主政治の機能不全-戦後日本的制度の病状は危機的である。私たちの生の「貧困」を、リベラリズムの原理によって解剖し、「批判的民主主義」に基づく変革の青写真を描く。日本型システムの倫理的再編をデザインする。
感想・レビュー・書評
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法哲学者・井上達夫氏による著作。井上氏はまず、日本社会が三つの「貧困」状態に陥っている、と指摘する。すなわち、最大多数の最大幸福の追求のために、異質な生を追求する様々な少数者を排除・抑圧する「関係の貧困」、会社等に代表される中間団体に過剰に統合されることによって個人権が侵害される「共同性の貧困」、そして、様々な利益集団の無原則な妥協と合意によって。政治意思決定を行おうとする「合意の貧困」この三つである。これらの「貧困」を解消するために、井上氏は他者との関係構築を図る「会話」という営みが不可欠である、とした上で、民意の可謬性に立脚した「批判的民主主義」を提示する。なお、「会話型社会」は井上氏のデビュー作である「共生の作法」の中の「会話としての正義」に通ずるものがあり、合わせて読むと面白いのではないかと思います。
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