ヨーロッパ覇権以前――もうひとつの世界システム(下) (岩波人文書セレクション)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000286831

作品紹介・あらすじ

多様な文化・経済システムの共存と協力によって成立した一三世紀世界システムは、ユーラシアにかつてない繁栄をもたらした。このシステムは、なぜ近代世界システムに取って代わられたのか。覇権力を前提としない世界システムを構築することは可能なのか。著者アブー=ルゴドによる、歴史からのはるかな問いかけは、私たちが生きる現代世界をも照射する。「西洋中心史観」をくつがえし、広い視野と豊かな筆致で新たな世界史像を描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 13世紀にユーラシアで成立していた交易ネットワーク(世界システム)について述べる中で、下巻では紅海、インド、マラッカ海峡、中国に言及する。

    世界は各エリアごとに中心となる勢力があり、それら異文化が互いの存在を認めつつ交易していたとする。
    その世界システムが(ペストをはじめとする理由で)衰えた後になって、ヨーロッパによる覇権が始まるが、それは質的優位による必然的なものなどではなくタイミングの妙みたいなものだとされる。
    他地域に対して侵略的に振る舞う勢力(ヨーロッパ)に対して耐性がなかったという意味ではヨーロッパの異質性が効果的に機能したのだといえそうだが。

    上巻に比べると史料の少なさもあって概観にとどまっている印象で、エキサイティングさには欠けるけど、面白いことは確か。

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