デタラメにひそむ確率法則――地震発生確率87%の意味するもの (岩波科学ライブラリー)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000295956

作品紹介・あらすじ

確率とは何だろうか?「次に硬貨の表が出る確率は2分の1」、「30年以内に地震が起こる確率が87%」。こうした主張は本当に正しいのか?「偶然」と「必然」との関係を見出し、デタラメな現象から法則を探る。たくさんの具体例を通じて、誤解しやすい確率の意味をわかりやすく解説する。

感想・レビュー・書評

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  • サブタイトルが地震発生確率87%の意味するもの
    p.57 1000サンプル位の内閣支持率だと、誤差が3%位
    p.82-83 地震のマグニチュードは1増えると、31.6倍、2増えると1000倍
    p.88 地震のマグニチュードと頻度がベキ分布との表現が散見されるが、正しくない。正しくは、指数分布であり、指数分布の方がベキ分布に比べ、急激に減少する。
    p.93 地震の確率はBPT分布(Brownian Passage Time)仮定している。BPT分布は逆ガウス分布、ワルド分布とも言われる。
    p.100 地震の確率を計算するときは、実際に地震が発生していないという条件を考慮している。

  • 161015 中央図書館
    東海地震の発生確率なるものの原理を述べてくれている。世に言われる「地震の発生確率」とは、この程度の大胆な仮定と簡単な理論的背景しかないということに驚く。それは確かに、向こう何十年かのうちに東海地震が起こる可能性が極めて高いと推測することは、多くの人にとって妥当なことと感じられるだろう。しかし、それを支える内生的な理論はいまだ無いし、とうぶん出来る見込みもない。いたずらに◯◯%という数値を論って議論するのは、無駄なことだと思われる。

  • (グーテンベルク・リヒターの法則)地震の頻度NとマグニチュードMの関係は、N=10^(a-bM)

  • 東海地震が発生する確率をどのようにして算出したかについて詳細に記載してある.1854年の安政東海地震,1707年の宝永地震,1605年の慶長地震,1498年の明応東海地震から,発生間隔が102年,107年,147年であることから計算されている由.知らなかった!BPT(Brownian Passage Time)分析を使っている.地震に関する事項に興味があったが,マグニチュードMとエネルギーEも簡単な関係式で表される由.面白い本だ.

  • 世の中には天気予報をはじめとした確率にまつわる話がとても多い。占いなんかも実は確率によって起こっているのかも。
    こうした確率の話って前提条件が大切で、どういうシチュエーションが想定されていて、計算時の分母にはどんな式が入るのかなんて言うところが、とても大切なんだなぁ、と思った。

  • 地震発生の確率87%
    意外な計算結果

  • 第4章あたりまでは退屈かもしれないが、条件付確率の図解や、愚直なまでの具体例で理解度を上げようとする姿勢に好感。
    大数の法則から正規分布、地震確率に進んでいく過程は、高校数学レベルに落とし込んだ解説と具体例が見事にはまって、非常に理解しやすい。
    良書。

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著者プロフィール

中央大学名誉教授。
1942年、長野県生まれ。
京都大学理学部数学科卒業、東京教育大学大学院研究科修士課程修了。
1980年から中央大学経済学部の教授を務め、2013年退官。
前・数学教育協議会会長。
専門は、確率論、数学教育。
著書に『数とは何か?』(ベレ出版)、『デタラメにひそむ確率法則――地震発生確率87%の意味するもの』(岩波書店)など多数。

「2020年 『基礎から発展まで 三角関数』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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