偽装の被爆国――核を捨てられない日本

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612210

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  • 「核なき世界」を掲げたオバマ政権も核兵器禁止条約には強く反対していた。米国が担保する核抑止力を基軸とするNATOや日米、米韓、米豪の同盟関係に無視しえぬ影響を与える、換言するなら、米国を扇のかなめとする「核同盟」にsン国な動揺を着た鵜ことを恐れたからだった。条約交渉開始を定めた2016年秋の国連総会決議に対しても、オバマ政権は「決議案に単に棄権する中途半端なやり方は認められない。必ず反対するように」とのメッセージをNATOや日本などの同盟国に外交ルートを通じて送っていた。日本が被爆国でありながら棄権ではなく、国内世論の反発が必至な反対にあえて回ったのは、こうした米国の恫喝的なシグナルがあってこそだった。トランプ世間になってからは柔軟姿勢もなくなった。トランプが大統領に就任した2017年2月、米政府は外交ルートを通じてん本の交渉参加に露骨な嫌悪感を伝達してきている。場合によっては日本の交渉参加を容認する意思があるのか、との日本政府の問い合わせに対し、ある国務省高官は「I hate it」との表現を使って日本の交渉参加に対する露骨な嫌悪感を表明した。

  • 東2法経図・開架 KW/2017//K

  • 共同通信社編集委員を務める著者。先日「サンデーモーニング」のコメンテーターとして出演されていて、その時の話しの明快さにひかれて最新著を購入しました。

    丁寧な取材をもとに被爆国として果たすべき役割に背を向け続ける日本の実態が、克明に描かれています。現政権の核兵器禁止条約に背を向ける対応についても、国民からの批判に耳を傾けない態度の背景にある状況がよくわかりました(原発輸出や再稼働に突き進む方向も)。タイトル通りまさに「偽装の被爆国」、アメリカの核の傘を前提とした間違った政策を改める必要があります。

    その選択ができる日(第48回衆議院選挙・10月22日投開票)まであと1週間です。みんなで「偽装」を見破りましょう。

    お勧めの一冊です。

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著者プロフィール

太田 昌克(共同通信編集委員、RECNA客員教授)

「2018年 『核の脅威にどう対処すべきか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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