世界のおすもうさん

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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000614573

作品紹介・あらすじ

今日もどこかで、「はっきよい!」テレビには映らないけれど、私たちの暮らしの意外と近くにいて、日々稽古に汗を流す「おすもうさん」たち!相撲をこよなく愛するスー女(相撲女子)2名が、日本と世界を駆け巡り、そこに生きる人々の暮らしと思いを描き出す。驚き、笑い、そして涙のイラスト紀行エッセイ

感想・レビュー・書評

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  • 『世界のおすもうさん』エッセイとイラストで楽しむ相撲ルポルタージュ - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/45981

    働くオバちゃん/和田靜香|note
    https://note.com/hatarake365

    放送作家から「文筆家・イラストレーター」への華麗なる転身?! 金井真紀さんに聞く活躍のヒミツ | BRANDORI DESIGN
    https://brandori-design.com/interview/mis-kanai-maki

    世界のおすもうさん - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b559577.html

  • 古代アラビアに端を発する「すもう」文化が世界中に伝播して日本では相撲となり独自の発展を遂げるが、近年はSUMOとして「逆輸出」されて愛好家を増やし、国際大会が開催されると世界中から選手が集まるそうだ。横綱白鵬が自ら主催する世界青少年大会という素晴らしい企画が毎年開かれていることも冒頭で紹介される。(年に何回も大相撲中継するNHKでこの種の大会を取り上げたりすることはあるのだろうか?)
    スモウを国技とかローカル・スポーツという狭い視野でしか見ていない我々に対してジェンダーレス且つグローバルな広がりがあることを教えてくれる好著だが、レフト系の著者ゆえの愛嬌みたいなものと思うしかないものの、沖縄やモンゴルの章で嫌日な発言で啓蒙してくるのにはさすがに辟易する。

  • 相撲を愛するスー女(相撲女子)二人が出会った、
    年齢も性別も地域や国も様々な、おすもうさんを描くエッセイ。
    1 東京・両国 小さなおすもうさん・・・
       悔しい、嬉しい、一喜一憂。小中学生と指導者たち。
    2 北海道・福島町 女性のおすもうさん・・・
       相撲を取ることが楽しくてたまらない、女相撲の勇者二人。
    3 京都市 女子高校生のおすもうさん・・・相撲はスポーツ。
       高校女子相撲部のおすもうさんたちの相撲愛。
    4 沖縄・辺野古 沖縄角力のおすもうさん<前編>・・・
       辺野古の沖縄角力のおすもうさんたちが抱える複雑な事情。
    5 和歌山県 スーパーマーケットのおすもうさん・・・
     スーパーマーケット相撲部のおすもうさんたちの仕事との両立。
    6 沖縄・久米島 沖縄角力のおすもうさん<後編>・・・
       小さい離島での角力の技術と哲学は、いい男を育む。
    7 石川・唐戸山 祭りのおすもうさん・・・神事のおすもうさん。
       唐戸山相撲は草相撲の文化。2000年の伝統が人を繋ぐ。
    8 韓国・水原 韓国シムルのおすもうさん・・・沖縄角力との交流が
      あるシムル。プロの女子チームのおすもうさんもいる!
    9 大阪・大浜公園 世界から来たおすもうさん・・・31の地域と
      国が参加した世界相撲選手権大会。参加おすもうさんに取材。
    10 中国・内モンゴル自治区 モンゴルブフのおすもうさん・・・
    の気分で茨城県・・・日本国籍を取得した方から聞く、内モンゴル
      自治区の生活と内情。モンゴル相撲・ブフの魅力も紹介。
    ほんわかしたイラスト多数。参考文献有り。
    スー女(相撲女子)二人が出会った、様々なおすもうさんたち。
    実際に会っての取材とイラストが、彼らの姿を浮かび上がらせて
    くれます。エッセイというよりノンフィクションな内容です。
    練習するとき、土俵に上がるときの真摯な姿と真剣な表情。
    だが、相撲について語るときは、純粋な笑顔。相撲が好き!
    何度も出てきた「相撲が楽しくてたまりません」
    これが何よりの言葉です。
    年齢も性別も様々だし、過去や現在の国や地域の事情には深刻な
    出来事があったりします。戦争や紛争等、そしてコロナ禍。
    その後の彼らの状況にも、色濃く影響している事が。
    それでも、おすもうさんたちの視線は未来に向けられています。

  • 相撲にはほとんど関心がないけど、和田靜香さんと金井真紀さんのお二人の本なんて読まずにはいられない。
    今まで全く知らなかった世界の相撲事情、女子相撲事情を知ることができた。相撲といえば日本の大相撲しか知らないというか、知ろうともしなかったが、地道に、世界中で、男性だけでなく女性も真剣に取り組んでおられることを知り、自分の興味の外にどれだけの世界が広がっているのか考えてしまう。
    「はじめに」で沖縄に連帯するデモから始まった本書は、「金井さんを内モンゴルに連れていって、現地のブフを見てもらいたかったけど、一緒に行くことはできなくなっちゃったなぁ」という中国の内モンゴル締め付けに対するデモを率いる内モンゴル出身者の言葉で、最後の章が終わる。
    明るい文章と可愛い絵で和んでばかりはいられない。

  • 各章の終わり方の余韻がとてもいい
    スーパーで働くおすもうさんがスーパーマン、伝統をつないでいく羽咋の二千年の歴史ある相撲、米軍との交流、久米島の戦争、相撲する人たちがモテる人を育てるコミュニティ、勝つと牛がもらえる現物支給の韓国シルム、インドでは女子の相撲がちゃんと成立してること
    一つの文化がいろんな土地で進化を遂げて、新しい文化になるかんじがとてもよい
    読んでよかった
    金井さんは日本に住んでる世界の人の本を別で書いてるし、和田さんは小川淳也さんとの対談本もおもしろかった
    今後も注目

  • ふむ

  • アジアのおすもうさん、アメリカ大陸とヨーロッパのおすもうさん、がもう少しでアフリカのお相撲さんに行く手前。相撲も広い。すこし緩めるとこんなに広がるんだ。

  • 大相撲とはぜんぜん別物の生活に根付いている相撲がおもしろい。
    ただ金沢の方の伝統だけは、なんだかなという感じ。
    沖縄の文化が分かるし、女の子の相撲も応援したい。

  • 「マル農のひと」以来
    金井真紀さんの「絵」には反応してしまいます。

    「その道」では有名だけれど
    知らない人は全く知らない
    (取材されている)当人は
    そんな周りの反応などどこ吹く風
    わたしゃ 自分のやりたいことを 自分流で
    やっていくのだ
    という人たちを
    金井さんは実に心憎いまで
    取材して人物像を浮かび上がらせていく
    (文字通り)絵が浮かび上がっていく

    プロの「相撲」(?)には全く興味はありませんが
    「野見の宿祢」、「当麻蹴速」辺りのことには
    大いに興味があります。
    日本の(世界の)各地に残っている「相撲」「角力」
    には大いに興味があります。
    まぁ それはともかく
    「こんな人たちが ちゃんと いるぞ」
    という意味では稀有な一冊になっている
    と思います。

    2018年の沖縄の辺野古基地問題への反対デモの
    中で出会うべくして出遭った和田静香さんと、金井真紀さんお二人のライターの出逢いから始まった企画、
    それもまた とても興味深い。
    時折り、挿入される「政治」の話もとても興味深い。
    中でも「モンゴルブフのおすもうさん」は読み応えありでした。

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著者プロフィール

1965年生まれ。相撲・音楽ライターにして、政治ジャンルで『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。』『選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記』(左右社)の2冊を上梓。異例のヒットとなり、累計3.6万部を突破する。今後は市民がつながるためのおしゃべり会を、公民館でやるつもり。

「2023年 『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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