- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000614665
感想・レビュー・書評
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新型コロナウイルス感染症が日本で発生・拡大し始めた初期から第1波の終息までの間、未知の感染症にどう対応すべきか誰もわからない中で、専門家として検討し発言していったコロナ対策専門家会議、その主要メンバーたちの言動・行動を追ったドキュメント。
素人目には、その後の新型インフルエンザ等対策有識者会議の下の新型コロナウイルス感染症対策分科会と主要メンバーが同じなので、組織がどう変わったのかも意識されにくいが、そういう仕組みについても触れられている。
それにしても、あまりにも最近のことで、記憶にも生々しいことで、専門家と政府との関係に関する違和感なども残っているが、その裏で、専門家会議が真摯に、しかも手弁当で検討を進めていたことには頭が下がる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにせ図抜けた感染者数となった新型コロナ第5波がピークアウトかな?といった状況下なのだ。ここに記されるのは、第1波をなんとかやり過ごし「卒論」を発表された専門家会議の足跡である。この後、今日にいたるよもやの一年余の経過と現状を思うと、申し訳ないけれど素直にお疲れ様でしたとは言えない。登場する専門家の多くは、新たに設置された会で継続して奮闘いただいているに違いなく、あの厚生省、さらには政府、増してや言うこと聞かぬ(言うことだけは言う)我々国民を相手にご心労をおかけいたします。さて、着地点はどこなのでしょう。
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専門家と政府、政府と都、分析と実行。その間の溝と埋まらないままどう動いていくか。現場、発信者の疲弊。
広まる感染、正解のない対策、疲弊する経済、市民。
こういった状況の中での判断の連続と、その為の緊張感しかなく、長い専門家会議。最終的には特措法の元の正式な組織として改組されたが、その不安定さも、不安定さからくる中の人たちの情熱によって蠢く状況が表現されている。
特に尾身氏含む専門家たちの人間性、リーダーシップ、献身性に、自分達が生かされているのだと、尊敬の感情が湧いた。 -
尾身先生は日本の宝。
あと、読んでて西村大臣ってのはけっこうまともな政治家なのかもしれないと思った。厚労大臣の話はほぼ出てこない。 -
西浦先生の本を先に読んでいたが、こちらの本の方がより多様な関係者の思いをキレイに整理してくれています。人間ドラマとして面白いです。
主に専門家側の視点から書かれ、政治、行政批判のトーンが随所に滲んでいますが、政治、行政サイドも色々考えがあり、そう簡単な話ではないんだろうと推察します。 -
コロナ対策の中味云々より、政治と科学の問題、行政と専門家の問題が浮き彫りになる著作だった
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新型コロナウイルスの専門家会議について、専門家側の視点から丹念におった良作。専門家会議に関わった方の思い、新型コロナウイルス「対策」の難しさがよく伝わってくる。専門家、官僚、政治家、市民の普段からの信頼関係の無さが、対策をさらに難しいものにし、リスクコミュケーションの拙さがそれに輪をかけてしまったと感じた。
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現在進行形の内幕がリアルに描かれている。
ニュースでおなじみの面々の、葛藤が興味深い。