読書案内―世界文学 (岩波文庫 赤 254-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003225431

感想・レビュー・書評

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  • たとえ傑作と呼ばれるような小説であっても、自分がつまらないと思った箇所は読み飛ばして読んでも良いのだという考え方がなかなか衝撃的。

  • 「ある書物について(中略)あなたの興味をひかないならば、
    その書物はあなたにはなんの関わりもないのだ。」
    「読書の習慣を身につけることは、人生のほとんどすべての
    不幸からあなたを守る、避難所ができることである。」
    「ひとに何かを求めるときには、そのひとにできない
    ものまで望むようなことがあってはならない。」
    「読書はひとつの楽しみである。人生があたえてくれる
    もっとも大きな楽しみのひとつなのである。」
    「彼女は天賦の才能にめぐまれていた。しかし、
    大した才能ではない。」

    モームだなぁ。好きだ。

    原題の"Books and you"が好き。邦題の「読書案内」も良い。

    モームおすすめの本はいくつか読んでるものもあった。英文学を専攻していた身としては少しホッとした。
    一つもなかったら「学生時代なにしてたんだろう…」と
    思うところだった。。

    しかし
    「ひとに何かを求めるときには、そのひとにできない
    ものまで望むようなことがあってはならない。」

    なんてもう読書を超えて人生論だなぁ。

  • モームにとってみれば、やっつけのエッセイの一つなのかもしれない。余計な力の抜けた、奇矯なところのない、世界文学(といっても西欧に限る)名作リストアップである。
    ほぼ定番のリストであるが、さしもにイギリス文学で紹介されるものは、日本人としてはなじみの薄い人も結構でてくる。

  • まずはこの本で紹介されてるものから入ろうかな

  • こんな本の解説を読むというのは、どんな人なのだろう、という解説がお気に入り。

  • 「読書」という行為を改めて考えさせられた。読書は楽しいものだという原点を思い出させられた。

    文字を読んで感動する、良く考えれば不思議だと実感した次第である。

  • 古典文学…読んでないなぁ…
    読みたいリストがまた一気に増えてしまった。

    著者の好きさ加減が伝わる解説で、さらに読み飛ばしたっていいと、言われたら、手を出してみるかとなってまう

  • 楽しむための読書の姿勢に目が覚める思いをした。偉大な傑作と思っている書でも欠点があれば率直に記す態度にもさわやかな心地がした。

  • <世界の文学に自然体で向かう方法>


     イギリスの小説家で劇作家のサマセット・モームは、文芸評論家でもありアンソロジストでもあり、偉大な読書案内家。世界中からさまざまな作品を集めてきて、一作もおろそかにせずにアテンドしてくれました★
     美点を突き止めるのが巧い。不満を書いても嫌味がない。自らも創作活動をしているから、態度だけがビッグな評論家とはわけが違う。信頼に値する、本物の読書家です。

     世の中には多くの書評本、本についての本がありますよね。書評を読むのは好き、なはずだけど……、近頃、自分では読書に進まないことが結構出てきてます。その書評者の読書量や知識の質に「なんかすごそう、自分は読めないかもな~★」と圧倒されて、そこでおしまい(笑)。

     でも、モームの読書案内が伝えてくれるのは、世界文学に自然体で接するコツ☆ 読書は楽しみのためのもの、とっつきにくかったら飛ばし読みしたってかまわない、とまで述べているのです。
     モーム自身の文章はいつでもまっとうな感じで、受け取るほうに苦労がないですね。優しい=易しい★ 本読みの初心者~中級者への上がり口で親切にしてくれます。『世界の10代小説』と併せて読むと、頭の中で一つのまとまりになってくれるのでなお良し。

     久しぶりに読み返してみたら、ストレートで分かりやすいことを重視する傾向が、強めに感じられました。無意識のうちにストレートを要求しているような。ストレート自慢の投手が好きで、変化球はあんまり評価しないイメージですね(野球にたとえて言うのがどうなのか分からないけれど……)★ 欠損があっても、作品の技術云々よりも、強いストレートを好んで偏った評価をしてしまっていないかなぁ……?

     なんて生意気申しましたが、自分の読書に実際に影響を及ぼしたブックナビ、ナンバー5に入ります☆ サマセット・モームは、世界文学にマイペースでつきあっていく楽しみを教えてくれたのでした。

  • 1940年発行の読書案内なので、今となっては古さを感じる面も多いです。しかし、アメリカやヨーロッパの古典作品で読むべき本を探している方には、1つの指針となる本だと思います。

  •  ようやくモームの文章を読んで、素直におもしろいと思えた。要するにこの人はフィクションよりもエッセイの方がおもしろいらしい。もともとは雑誌に掲載されたもので、世界文学(といってもイギリスとヨーロッパとアメリカだけなんだけど)の中の、誰が読んでも文句なしに称賛できる、素晴らしい精神的富となる作品を紹介したエッセイ。「読書は楽しくあるのが本当だ」「一流の批評家がほめたたえようとも、あなたにとって興味がわかないのなら、その書物はあなたにはなんのかかわりもない」と堂々書いてみせるモームは、古き良き時代のイギリス知識階級の最も美しい姿を示して見せていると言える。色々な文学者へのモームの感想やコメントも、もったいぶっていなくて楽しい。
     ちなみに。ここでもやっぱりトルストイの「戦争と平和」は壮大なすばらしい小説として称賛され、そのヒロインは「小説にあらわれたもっとも魅惑的な女主人公」とほめちぎられているのだが……私には、気分に左右される、一貫性のない、いつもその場限りで行動する頭の悪い女性にしか見えなかったのだが。うーん。モームの時代では彼女が魅力的だったってこと? それとも男の視点と女の視点の違い? 単に私の趣味が世間と違うだけ?

  • 本とあなたの素直な関係。そんな本。
    名著と呼ばれる本や、まわりの人達がみんな面白いという本を楽しめなくても気に病むことはないんですよ。
    たとえどんなに他の人と似ていても、あなたは他の誰ともちがうあなたであるように、その本はいまのあなたには必要がなかっただけなのですから。
    なんつーと、胡散臭いがまあそんな本。そういった本来的ではない、本と自分の関係の外にある、社会的な、見栄やら虚栄やら群れ意識やらをさて置いて、本とあなたとのニュートラルな、シンプルで率直な関係に戻そうや。そのために、合わない本は率直に合わないでいいし、つまらん部分は無理して読むことなんてせず素直に飛ばしちゃっていいじゃん。そんな感じ。
    そういった意味であとがきはとても良心的。さっそく文を読み飛ばす練習ができるんだから。

  • 10127

    11/02

  • いろいろ読みたい小説が増えた。
    『クレーヴの奥方』の夫が気になる!

    2010.10.16 購入/2010.11.14 読了

  • ここに紹介されている本を読みたくなる、それだけで読書案内の目的の95%くらいは達成されてる。

  •  「月と6ペンス」、「人間の絆」など著名な作品の多いモームの小説案内。ちなみに原題は"Books and you"だとか。小説とは、自分が楽しいか否かで読むべきで、ちょっとでも合わなければ、読むのをやめていいし、面倒・退屈だと思った部分は読み飛ばしてかまわない、とさらりと言ってのけるあたりが好ましい。取り上げているのは、イギリス文学・ヨーロッパ文学・アメリカ文学から。例えば、ディケンズ、ゲーテ、トルストイ、ドストエフスキー、ポーなど。モームの語り方は何となくだが、好きだなぁ。

  • アメリカ文学について特に印象に残りました。

  • 254-3 西川正身訳

  • 彼はすごく本が好きなんだなと好感を持った

  • 小説は読めないといっている輩は、想像力の欠けたものか、他人の身になって考えることが出来ない人間だと。この言葉に心を打たれ、目頭が熱くなった。自分の考えはまだまだ狭いことに気づかせてくれた。

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