ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代 下 (岩波文庫 赤 405-8)

  • 岩波書店
3.44
  • (4)
  • (2)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 86
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003240588

作品紹介・あらすじ

全面性の時代から一面性の時代へ-こうした時代の変化を踏まえ、ゲーテは人間のあるべき姿を描こうとした。霊的な力をあらゆる人々に及ぼす精神的太陽とも言える聖女マカーリエに象徴されるように、本書の作品世界は汲み尽くしがたく、どこまでも晴れやかで美しい。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • レヴュは上巻にて。

  • 個人用の覚書ですが、偶然見かけた方の、何かの参考になればと思い、公開します⭐︎




    9 再び結社と合流しようとする途上。ある団体が借りている一軒の旅館。幹事、歌歌いや左官、大工ら。巨人のような聖クリストフ。16 夜、奇妙な物音が聞こえてくる(結局何だったのか記述なし?)。無言の床屋の男(赤マント君)。バント(団体(結社)の指導者)としてやってきたのはレナルドーだった。フリードリヒ(ナターリエの弟)も一緒に。
    25 ヘルジーリエからヴィルに書簡。悪童フィッツの上着ポケットから例の小箱の鍵が見つかり、こっそり取っておいたので早くいらしてください
    31 結社にてヴィル、体験した外科医としての勉強、人体解剖の話。解剖するための人体の需要、墓荒らし問題。精密な人体模型を作るある彫刻家にしばし弟子入り。43 海の向こうでは人間尊重の気運が高まっていて死刑は廃止されるだろう、そうすると監獄エリアができ切り刻んでも大丈夫な解剖対象が…。新世界でのみ実現される、うんぬん
    50 フリードリヒの話。結社の一員として、彼には記憶の、彼のフィリーネには服飾、モンターンのリューディエには裁縫の才が見出されていた。レナルドーは幼少期から技術的な手仕事と、結社への役に立つ仲間探しの才
    56 レナルドーの日記を読む。レナルドーと荷物運びとして聖クリストフの旅。快活な糸運びの男。村人に糸紡ぎや機織りを教わる。熟練した機直しの男。活動的な環境 75 ヴィルからの手紙で、彼女は幸せに活動的な環境で暮らしているから安心するようにという手紙をふと思い出す。77 若い未亡人ズザンネの話。海の向こうへ行く計画を持っているとのこと。ここで日記は中断。マカーリエのところに送られたとのこと
    79 ヴィルとレナルドーの会話。レナルドーをバントとするこの結社は、それぞれの集団の役に立つか、喜びを与えるような何かの才能を証明できない者は入れないとのこと。また、他の面でより大きな自由が認めてもらえる代わりに、ある面では自分を制限しなければならない
    例の無言の床屋。言葉で表現されるのはありきたりな偶然なものばかりだから言葉を諦めた。その反面、物語の才がひらけた。
    80 床屋の語る物語。昔ある美しい女性を愛するが、彼女は実は小人族の王女で、衰退する王国のため、人間の男と結婚するため地上に出てきていた。(彼女が大事に持っている小箱をある日覗くと、中には宮殿、そして小人の彼女。)彼女と別れたくない男は魔法の金の指輪により小人となり彼女の国へ。結婚。が、以前の大きさの尺度感が忘れられずしだいに心は不幸に。指輪をやすりですり切ると、宮殿を突き破り元の大きさ、元の世界で1人立っていた。宝石箱と鍵が手元にあったが、最後には金もつき売ってしまった。そして皆の知る結社の一員へ。
    117 ヘルジーリエからヴィルへ手紙。ヴィルの知る骨董屋の老人が亡くなり、預けていた小箱も返されることに。ヘルジーリエが小箱も鍵も持っている。どうかはやくフェリクスとともにいらっしゃってください
    120 聖クリストフが語る、ひとつの滑稽談。
    学生たちと?遍歴の途中、人里離れた宿駅で。身分ある紳士。彼の鼻をつまめるかの賭けを思いつき、床屋に扮し、難なく成功。が、それがばれて夜、鍵をかけた部屋を追ってがバンバン、大騒音(ヴィルの聞いた物音はこれ?)。向こうみずな悪戯は不幸な結末に。紳士は侮辱に傷つき死を招き、息子も決闘により負傷、生涯恨んだ
    129 新大陸に乗り出す人と留まる人を決める日、レナルドー、結社の人々に演説。客人オドアルト、留まる人々に仕事を提供する申し出。
    146 オドアルトの話。
    有能な元外交使節。妻は社交好きの首相の娘アルベルティーネ。フロリーネ
    163 新大陸でのルール等話し合い
    170 オドアルト、旧大陸に残る結社の建築家たちに演説。手工業は厳正芸術と呼ぶべし
    181 レナルドー、フリードリヒ、ヴィルのもとにマカーリエのところからレナルドーの日記の続きが届く。例の彼女について
    183 レナルドーの日記続き
    レナルドー、綿製造業者で女主人ズザンネ夫人に会いに。ふたりの紡ぎ娘グレートヒェンとリースヒェン。ズザンネ夫人こそ例の彼女だという予感に打たれ(最後についにそうと知る)。生い立ちを語る彼女。元の地から去り、彷徨った挙句、父と同じ信仰のこの地で迎えられ、今の家の家族の一員ように。手工業の仕事に一心に励み。この家の息子と自由思想の話、何か真実なこと、善いことへの情熱を通して愛情を育む。同胞教会の信仰とは反するも自然の中で幸せに。そのころひとりの旅人(ヴィルのこと)がやってくる。196 宗教上の核心が自分たちには抜け落ちてしまっていること、幼いときから非常に多くのものが結びついている伝来のものから離れることがいかに危険であるかと気付かされる。彼の望みあって婚約が早められる。彼が去ったのち、夫となった人は亡くなってしまう。悲しみから彼の両親も。彼女の父も卒中で意識混沌。彼女の父のところに案内される。と、まじろぎもしなかった彼の目が輝き、「おお、神よ、レナルドーの若さま!なんて幸せなことでしょう」「あなたなのね!レナルドーさん」。(ズザンネという名前は彼女の夫の両親の亡くなった娘の名前だった。その人の代わりと望まれたので)。レナルドー、彼女に新しく「美しき善き人」という名前をつけ、彼女も微笑む。206彼女の父の礼拝の言葉、以前は虚に響いたが今度は心打たれる。彼女の悩み。勢いを増す機械工業に対してどうするか。自分も機械を据え付け人々の糧を奪うか、海の向こうへ移住か。夫亡き後の求婚者(番頭)は機械推進派、押し付けがましい。不幸。彼女への愛を自覚するレナ、結社の話を打ち明ける。彼女の父、彼女とレナの手を取り結び合わせ祝福、神々しく息を引き取る。この瞬間に番頭やってくる。受け入れるが一人で移住すると言う。
    219 レナの日記を読み終わったヴィル。前の日記ですでに彼女が発見されたことを予感していた。
    220 ロターリオ、テレーゼ、ナターリエ、神父はすでに海の向こうへ乗り出した報告。
    ユリエッテは伯父の心にかなった男と結婚。残って大陸に活動的に献身。ヒラーリエと夫フラーヴィオも。父少佐はあの逆らい難い夫人を妻にしている。
    叔父が海の向こうに持っている土地を結社の拠点に。そこをもっとも完全な市民組織の中心地とし、影響力のある国家の一員として、その利益をはかる見込み。
    モンターンと、フィリーネ(可愛い2人の子供連れ)、リューディエ。2人の女性はマカーリエにひざまずき、祝福される。リューディエは心の重しが取り除かれ、救われる。モンターンはリューディエを愛していて、ついには彼女を妻にした。ヨーロッパ社会に居心地の悪さを感じていた3人は、海の向こうの新しい植民地への期待を抱く。衣類を縫ったり供給する展望。モンターンもこれまでの山や鉱石の知識や能力の目的が見つかる思いで。彼はかの天文学者と親交を深める。
    230学問の研究についてのふたりの見解。モンターンの知り合いの、ある特殊な人物。鉱石や元素の影響を感じ取ることができる。触っただけで元素を区別できたり。天文学者もマカーリエと宇宙体系の話をする。
    マカーリエに仕える、上品なアンゲラ。ヴェルナーの新しい助手の好青年と婚約
    代わって、栗色の娘(美しき善き人)はマカーリエに仕えることに。全財産を番頭に譲り、彼も働き者の家族の2番目の娘と結婚。機直しの義兄弟に。そのためあの地方全体の協力による新たな工場生産の開始が可能となり、住民らも別の活気ある方法で働き口をあたえられることに)。善き人は今はレナルドーの愛に応えられないが、彼は大事業に大胆に踏み出し、いつか向こうで足場を固めたなら彼女を呼び寄せることに希望を抱いている。
    239誰もがマカーリエの前に立つと、少しもこだわりなく、自分のありのままの姿わ現すことができた。
    241 マカーリえと太陽系の関係の詳細。天の運航と自身も共に転回していて…。生い立ち。天文学者との出会い。
    モンターンの知り合いの例の、地上の物質の違いを的確に言い当てることのできる人物(女性)の話。新しい泉を自由に見つけ出せたり。
    248 遍歴者たちが活動していた、あの城の管理人の元へ、馬に乗った青年フェリクスが駆けてくる。ついで、ヴィルへのヘルジーリエからの手紙。ヘルジーリエの元に恋に燃えるフェリクス。フェリクスが例の小箱に鍵を挿して回すと、鍵は壊れてしまった。ヘルジーリエとキスするも、怒られる。ヘルの当惑。後日、金細工師の老人が小箱を開けてくれるが、すぐに閉めて、こういう秘密には触れない方がいいと言われる。
    258 小舟にてヴィル。美しいフェリクスが馬に乗って会いに来る。落馬。生きているしるしは見えない。ヴィル、彼の腕の血管を開き、甦らせる。抱き合って喜び合う。柔らかな日の温もりに温められ横になって休むフェリクス。「素晴らしい神の似姿よ、おまえはいつも新たに生まれ変わるのか。そしてすぐにまた、内からも外からも、損なわれ、傷つけられるのか」
    260 マカーリエの文庫から。182のアフォリズム群。

  • 一応読んだのだけれども、ほとんど内容がわからなかった。
    解説にもあるように、登場人物が動くというフィクションより、ゲーテがしゃべりたいことをひたすら登場人物に仮託させて書いているという感じがする。
    だから主人公達に人間味がどんどんなくなってくる。

全3件中 1 - 3件を表示

J.W.vonゲーテの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×