- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003253823
感想・レビュー・書評
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バルザックも同じように登場人物を突き放して描いた人だけど、フローベールはバルザックの立っているところからさらにずいぶん遠くまで来た感じ。ついでに言えば同じフローベールでも「ボヴァリー夫人」は「感情教育」からもかなり隔たってるね。「感情教育」なんて全然面白くなかったもんなあ。
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退屈をいかにうまく描くか
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だいぶまえに読み終わってるけど、恋に恋する少女が人生破滅させていくお話。
中世フランスの貴族と準貴族の世界の違い、憧れ等感じられて良かった。
初フランス文学にして、ドロドロ系。 -
ああそうか、そういう結末になってしまうのか。幸せを求める事は悪い事ではないけれど、身の丈を知らなければ自分はいつまでも不幸だと思い続けるんだろう。しかし悲しい結末だ。
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「母の遺産」に出てくる小説.長く積読だったのを手に取る.
こういう感情の流れの激しい小説はあまり読みたくないのだが,なんだか嫌だなと思いながら,また心の平安を失いながら,ぐいぐい読まされてしまう.「自分はこんなはずじゃない」と思う多くの人の気持ちに,エンマという形が与えられてみると,そのグロテスクさに戦慄を感じざるを得ない. -
二時間ドラマのような急変具合に驚く。エンマはクズ女だが“高等な”人間としての理想と幻滅を見た。自ら命を断つほどの幻想の挫折。
まあわたしには一生分からない感情であろう。
フローベールはこの小説がただのリアリズム文学だと呼ばれることに屈辱的な嫌悪を感じていた。それはフローベール自身の「ボヴァリー夫人は私だ」という言葉からもわかるだろう。
彼はリアリズムのみを追求するために小説を書いたのではなく、自らを犠牲にしてまで「人間の真実」を言葉にしたためたかったに違いない。 -
ポルトガル、ポルトなどを舞台とした作品です。
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平凡な生活を逃れ、恋に生きようとするエンマは、書記レオンや色事師ロドルフにおぼれ、やがてわが身を滅ぼしてゆく。モデルを訪ねられて「ボヴァリー夫人は私だ」とフローベールが答えたように、エンマの絶望はまさしく作者自身のそれであり、彼の味わった理想の挫折、悲哀と幻滅が主人公エンマに託されているのである。
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ロドルフからほぼ一方的に別れを告げられたエンマは、次にレオンへ。そして、散財をし騙され、ついには破滅の道へ…。なんとなく読んでみれば、恐らく昼ドラ展開(笑)みたいな感じだろう。だが、フローベールのタッチのおかげで画を見るよりも、より内面を、より詳しく、よりリアルに伝えてくる。
女の不倫はいけないのかもしれないが、後半を読んで目に付いたのは、旦那の無理解っぷりだった。彼女ではなく、自分の作り上げた理想のエンマを見ているように思えた。 -
下巻の中盤すぎくらいからものすごくおもしろくなった。